体験談

生物多様性保全に配慮した農業に取り組んで/徳島教区栄える会 福元英夫

2022年4月1日  

 70歳定年で会頭職を退き、現在私は73歳となりました。栄える会会員として元気でいる間は皆様の役に立ちたいと思っていましたが、コロナ禍の影響により教化部で各種行事が開催出来なくなり、今はライブ配信がされている先祖供養祭等の神官としての役割と教化部境内地の清掃作業に参加しています。
 私生活においては、自家用に野菜や米を作り、地域の世話役、土地改良区役員及び国の機関の調査員・指導員などの仕事を日課としています。これらの仕事は古希を迎える頃から徐々に増えていきました。米作りでは、近隣の高齢農家の方から田んぼの管理を依頼されたことで、水稲の作付面積が2ヘクタールとなり以前の約2倍に増え、2011年から地域の「小松島市生物多様性農業推進協議会」に所属して、協議会の推進する「生物多様性農業」に取り組んでいます。最近は環境の変化や農薬などの使用により、カエルやトンボ・ホタルなど数が激減しています。これは、目先の営利のみを求めたことが大きな要因です。自然の生態系は多くの生き物が生息することでバランスが保たれ、人間にとっても良い環境になることを、多くの人達に理解してほしいと念願しています。
 稲の害虫といわれる多くの虫達は、本来が草食性で間近で見ると総じて温和しい顔つきをしていますが、虫を捕食する蜘蛛やトンボ、カマキリは怖い顔です。いずれにしてもこれらの虫や昆虫を、農薬で皆殺しにしては生態系が崩れ、逆効果となりメリットはありません。私の行っている農業は、殺虫剤などの農薬は使用せず化学肥料も出来る限り控えることで多くの生き物が生息できる環境で作物を作り、この環境を次の世代へと引き継ぐことが重要な役割と思っています。
 今後の課題は、生物多様性農業に賛同する農業者を増やすことです。そのためには安心・安全な野菜や米などの農産物を消費者に提供して、消費者も味方にした取り組みが必要です。消費者からの理解を得ると所得が向上して、次の生産に必要な資金が蓄えられます。環境保全と所得の安定は、農業者にとっては車の両輪のようなもので、収入の向上を図ることは人を集める為に必要不可欠です。
 また、土地改良区の仕事として、土地改良区副理事長の役割と併せて水路の管理も依頼されていることから、常に水路を見回り、水の流れを阻害するゴミを撤去して回収することは大事な役目となっています。特に、田植えが始まる春から収穫を迎える秋までは大量の水が水路へ流れ入ることから、管理は毎日行う必要があります。水路やその周辺には空き缶、ペットポトル、木材の切れ端、プラ容器、ビニール袋や家庭ゴミなど色々ありますが、近年は、プラスチック製品の容器類や袋が多く見かけられるようになりました。これらのゴミは風で飛ばされてきたか不法に投棄されたものと思われます。
 私はこれらのゴミは家に持ち帰り、それぞれに分別しておき市役所の衛生課で処理をしてもらっています。ゴミの回収は、時折地元の環境保全会のメンバーが手伝ってくれるので大変ありがたいです。更にまた、徳島教区栄える会会頭の発案で、本年4月に会員が参加して、2カ所の堤防においてゴミの回収作業を実施することとなっています。
 今後のことですが、私にはまだまだ使命がありますので、自分の肉体に感謝しながら身体を動かして、生長の家のみ教えに従った生活を心がけるようにしていきたいと思います。


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