体験談

感謝の心で“生き甲斐と喜び”の事業経営/愛媛教区 栄える会相談役 伊藤勇次

2023年3月20日  

私は愛媛県西条市というところに住み、現在は「祭り用品専門店」と「ダンススタジオ」を経営しております。平成12年頃、日本はバブルの崩壊とともに経済危機に陥り、私の経営していた、衣料品販売の会社の3店舗あった店も1店舗に縮小しなければいけなくなり、バブル時の借金を抱えたまま経営していく中で「地元に大型ライバル店が出店する」という噂が耳に入りました。

それからは「返済の不安」や「ライバル店の影響による売り上げの減少」の不安で夜も眠れず、鬱状態になってしまいました。

ある日、眠れない自分は気が付いたら早朝、山に囲まれた湖のほとりのベンチに座っていました。

そこで何気なく合掌し、神様に一切の不安や心配を預ける気持ちで「神想観」を始めたのです。まず感じてきたのは大自然の「気」です。またそれは「根源的なエネルギー」とも言います。この大自然の「気」に押しつぶされそうになりました。しかし次の瞬間から一転してその「大きな気」と自分の生命が一つになって宇宙大に広がっていく感じがしてきた時、自分の中から自分を諭すような言葉が出てきました。「お前のその不安や心配など、宇宙からしたらチリにも満たないチッポケなものだ。しかし“お前の存在は、この宇宙にとってかけがえのない尊い存在”なんだぞ!!」と・・・そう聞こえた時、私はハッとして我に返りました。そして、何とも言えない“安堵感と喜び”に満たされ「もう一度、店を愛し、お客様一人ひとりに感謝することに徹しよう!」と決めました。

それを徹底的にしていく中で新しい仕事を依頼されたのが今の「祭り衣装制作販売」の仕事です。

地元の「西条祭り」は全国的にも有名で、学校や官庁もその日は休日になり、日本一の台数を誇る山車(だし)が出て、それに参加する方の衣装を作る仕事です。今までの既製品を売る仕事から「完全オリジナル」を制作販売する仕事に転換しましたところ、商店街も寂れて人通りが少なくなっても、大型店舗に人が流れる時代になっても“地域文化を担う特殊な業種”ですから影響もなく、かえってお客さまの方からわざわざ訪ねてきてくれます。時には、遠方からも注文が入ってきます。

もし今まで通りの小売業をしていたら私の店は潰れていたかもしれません。そして今、毎日「本日もより多くの人たちのためになる仕事を成さしめ給え」と祈りながら仕事をしています。

「神に全託する」ということは、安易にその問題を放り出してしまうことでも、自分がなんとかしてやろうという“我の心”でもなく、「神さまと一体となって仕事や生活に神意を顕すことである」と、仕事の問題という体験を通して学ばせて頂きました。そして「仕事」という観念も「収入を得るための手段」という考えから「自分を支えて(生かして)下さる多くの人や事の幸福のために働かせてもらうことである」と変わり、改めて“生き甲斐と喜び”をもって仕事ができる自分に変わりました。

これからも「三正行」を励行し、感謝の心で精進して参ります。


コメントを残す