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「福祉施設の非常時の電源」NHKの報道+α

スタッフから

2020/09/30

 9月7日(月)の朝7時30分頃、テレビから「長期停電から命を守るには」と聞こえたので、出勤の準備をしていた私はテレビの方に振向きました。NHKのニュース番組の中の報道でした。画面には、特別養護老人ホームの理事長と、その次に福祉防災専門家の映像が映されました。夏場の停電では、冷房機能が遮断され、特に高齢者は熱中症の危険が高まるので電源確保のための対策が必要だというのでした。

 皆さまは、「長期停電から命を守るには」と言われたら、何を思い浮かべますか?

 私はとっさに、屋根に載せた太陽光パネルとそれにつなげた蓄電池を思い浮かべました。
施設の屋根に太陽光パネルを設置して、そこで発電した電気を蓄電池に溜めておけば、地域一帯が停電になっても、その施設では電気が使えて、冷房を止めなくてもすむからです。

 しかし、このときNHKニュースでは、「(ガソリン)燃料による発電気」を導入するという話でした。自然エネルギーの拡大をお勧めしている私としては、化石燃料の非常用発電機をすすめるのではなく、太陽光パネル+蓄電池を一番におすすめしたいと思いました。

太陽光発電と蓄電池があれば、いざというときに家庭で使える 太陽光発電と蓄電池があれば、いざというときに家庭で使える

 次に、福祉防災の専門家の教授は、もうひとつおすすめの方法があるといって、電気自動車の活用を話しました。電気自動車は、バッテリーに蓄えた電気を取り出して非常電源として利用することができるからです。これは非常時の電源確保の対策として良いと思いました。この電気自動車から電源を取り出す装置は、V2H(Vehicle to Homeの略」と呼ばれていて、生長の家では、各地の布教拠点である教化部に同装置を導入する際には助成するなど、推奨している設備です。

私も電気自動車を活用しています 私も電気自動車を活用しています

 今年2020年の7月の熊本地方から、その後の9月の台風10号にかけては、全国各地を豪雨および強風における災害が日本列島を襲いました。これらの災害ではインフラにおいても甚大な被害を受け、熊本地方の豪雨では氾濫発生当時に球磨村で村全体の50%に当たる1270戸が停電し、熊本県内全体で約2670戸の停電。9月の台風10号では、九州電力管内においてが、約45万7千戸(9月7日現在)が停電。さらに遡ること昨年9月の台風15号では、神奈川・千葉両県を中心に最大93万戸が停電し、完全復旧には1カ月以上を要しました。

 このような自然災害による被害は、二酸化炭素を排出する化石燃料を大量に使い続けてきた温暖化の結果でもあるわけですから、災害の非常時にもまた、化石燃料を使おうとする考え方は、災害にブレーキをかけるのではなく、逆にアクセルを踏むに等しい行為とも思えます。災害時の電源確保策についても、停電の影響を受けず、化石燃料を使わない自然の恵みだけで発電できる太陽光発電などの、自然エネルギーの活用にもっと力を注ぐべきではないでしょうか。

太陽光発電の電気を蓄電池や電気自動車に溜めて家庭で使える 太陽光発電の電気を蓄電池や電気自動車に溜めて家庭で使える

                    (環境共生部 桜井伸)