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緊急事態宣言下のゴールデンウイークに思ったこと

スタッフから

2020/05/13

 新型コロナウイルスの感染者数は5月9日に世界では400万人を超えました。日本でも感染者数が1万5千人を超え、減少傾向にあるものの未だ予断を許さない状況にあります。
 このような中、私は4月中旬以降、テレワークからそのままゴールデンウイーに入り、休み中は、外出の自粛にともなって必然的に、ここ八ヶ岳南麓の自宅(職員寮)にこもり、狭かった家庭菜園を拡張する作業に終始しました。この間にテレビのニュースを見ながら思ったことがあります。

<5月8日の家庭菜園~動物よけの柵も作りました。遠くに甲斐駒ヶ岳が見えます。>

 ニュースを見ていて、今更ながらですが消費生活が現代人の生活を支えていることを実感しました。多くの人々が「これ以上自粛が続くと、お店または会社がやっていけない、生活ができない」と訴え、社会全体でその対策を考えています。

 国民が物を買わないと、飲食店に食べに行かないと、お酒を飲みにいかないと、どこかに遊びに行かないと、電車や飛行機に乗らないと、娯楽やイベントに興じないと・・・・現代人は生活が成り立たない、社会が維持できないのですね。私たちは、そういうシステムの中で生きているのだと実感しました。

 でも‟これってどうなんだろう?”というのが、私の素朴な疑問です。

 新型コロナウイルスが終息した時に、良かったね、これで安心だね、と手放しで喜べるだろうかと思いました。もちろん生活に必要な消費はありますが、それ以上に過剰に消費し続けないと維持できない社会、それは本当に幸せで安心な社会なのだろうか? 自分が自分で目標を決めることができて、心がけや努力によって、やりたい事が実現できる現代の世の中は素晴らしいと思いますが、そのやりたい事というのが、ほとんど物やサービスを消費するように人々を駆り立てる何かを提供することになってしまっている。それは現代社会の落とし穴なのではないかと思いました。

 八ヶ岳南麓で南アルプスを正面に見ながら、自分の肉体を使って菜園を耕していたとき、なんとも清々しい気持ちになりました。自ら知恵を出し、作物を作り、消費する。もちろんその中で、作物をお裾分けしたり、されたりと、人々との触れ合いもあるでしょう。そのようなていねいな生活の中にこそ、本当の幸せがあるのではないかと感じたのでした。

<私が土を耕し始めると、いつも同じキビタキがすぐ足元に降りて来ます。>

環境共生部 桜井伸