2020/07/21
上の俳句の季語は土用。歳時記(『合本俳句歳時記』角川学芸出版)には、次のように掲載されています。
【土用】どよう
春夏秋冬の各季節の最後の十八日間をさすが、通常土用といえば夏の土用のことである。立秋前の新暦七月十九日ごろからで一年で最も暑い時期にあたる。
土用一日目を「土用太郎」、二日目を「土用次郎」、三日目を「土用三郎」などという。
農耕との結びつきも強く、土用三郎の天候によって稲の豊凶を占ったりする。
(歳時記ここまで)
この解説の通り、年間の季節の変わり目には土用があります。主に農作業と照らし合わせた季節の目安となっていました。特に夏の土用は梅雨明けと重なることが多いために重要で、土用といえば夏の土用をさすことが多くなりました。この土用という節目が作られたのは、日本の気候風土の経験から生まれた暮らしの知恵と言えるようです。
うちの家庭菜園では、下の写真のようにトマトの実が大きくなってきました。
冒頭の俳句はこれを詠んだつもりです。(^^;)
そして本日2020年7月21日は‟土用の丑の日(どようのうしのひ)”に当たります。この日には鰻(うなぎ)を食べる風習がありますね。江戸時代に平賀源内が、売れない鰻屋から相談されて、看板に「土用の丑の日、うなぎの日」と書いたところ大ヒットしたことが由来といわれています。
実は、鰻が滋養に良いことは、江戸時代よりもっと古くからいわれていました。
次のような短歌が万葉集に残っています。奈良時代の中納言で歌人であった大伴家持(おおとものやかもち)が友人の石麻呂(いしまろ)に送った短歌です。
大伴家持『万葉集 巻十六 三八五三番歌』
(訳)石麻呂に私は申し上げたい。夏痩せによいというものですよ。鰻をとって召し上がりなさい。
というわけで、日本では古代から鰻は体に良いとされ、食されていたことが解ります。
それなら、私も今日は鰻が食べたいなと思いました。でも、近年、ニホンウナギは絶滅危惧種になっていますね。人間の過剰な消費とともに、地球温暖化による気象条件の変化や河川のコンクリート化に原因があるようです。
WWFのサイトでも特集を組んでいました。ご参考にしてください。URLはこちらです。
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3692.html
どちらにしても鰻は今、高価でちょと手が出ないかな。ウナギを殖やすためにも私たち全世界の人々の協力で、ぜひとも環境問題を解決していくこと。そして、ウナギの過剰な消費を抑制していくことが大切ですね。
ということで、今日は、うちの菜園でとれたトマトを冷やして丸かじりで食べることにします。
トマトは栄養豊富で、老化を抑制するとも言われていますし、こちらもおいしいですよ!
(環境共生部 桜井伸)