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自然と調和した暮らし

スタッフから

2021/09/05

秋雨や落ち栗を食む親子鹿

 この俳句は、私が作った俳句で、私の家のすぐ裏での実景です。ここは標高千メートルの八ヶ岳南麓、森の周辺で暮らしています。鹿は春も夏もたまに家の近くまで来ますが、これから寒くなっていくにつれて鹿を見かける回数も増えていきます。

 ところで、最近の全国での豪雨による災害や、猛暑と8月の長雨による気温の変化の激しさ、新型コロナウイルスの変異による感性症の増大などは、環境が私たちの生活におよぼす影響の厳しさと感ぜずにはいられません。
それは、裏をかえせば、私たちの生活が逆に環境に与えている影響がそのまま反映されているということにもなるのでしょう。

 国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、地球温暖化に関する報告書を8年ぶりに公表しました。その中で、IPCCとして初めて、「人間の影響が大気、海洋および陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と地球温暖化の原因が人間の活動によるものであると発表しました。

 私たちの生活が、地球環境に対してマイナスの影響をあたえないように、なるべくCO2を出さない配慮した生活をしたいものだと思います。
また、これ以上の自然破壊を行わないためにも、自然と調和し共存していける社会にしていかなければならないと感じています。


 そんなことを思っていた矢先、うちの南側のデッキにアシナガ蜂が巣を作りました。(下の写真)

 デッキには洗濯物を干すので、はじめは、蜂の巣を駆除するしかないと思いました。
 しかし、駆除と言うのは殺虫剤を使って、蜂を全滅させることです。
 それで考えたあげく、蜂の巣はそのままにして、洗濯物は場所をずらして、できるだけ離れた所に干すことにしました。アシナガ蜂は、こちらから向かっていかなければ攻撃してこないことが解ったからです。それに11月頃には、別の巣へと旅立っていくことも知りました。

 今回の出来事を通じていろいろと考えました。蜂もここで暮らしているわけですから、生活が不便になるからとか、刺されるかもしれないという先入観による恐れなどによって、ここに必死で生きている蜂を全滅させて良いと考えるということは、あまりにも自分の生活を中心に考えすぎていないかと思いました。もう一歩考えを進めて、蜂のことを知って、洗濯物をちょっとずらせば、共存できるのですから、蜂を殺す必要はないのです。

 思えば、冒頭で申し上げたIPCCが発表したように、地球上の人間の活動の仕方が、かけがいのない自然を破壊してしまっているのですね。人間の経済活動による森林破壊や野原や里山の縮小によって、そこにいた虫や動物、植物は生息地を追われ、それによって生態系の破壊がおこり、生物の多様性が失われます。そして多くの生物が絶滅の危惧にあります。さらに地球温暖化や過激な気象変動の原因となっています。これらは人間のためならば自然を壊しても良いという人間至上主義的な考え方によって、引き起こされているのではないでしょうか。
 私たち人類は、いまこそ自然と人間とが調和して、共存、共生していける社会を築いていかなければならないのだと思いました。

              (2021年9月5日記 環境共生部 桜井伸)