イメージしたものを形にするワクワク感がたまらない

 私は仕事柄、パソコンでの作業が多いのですが、かといって完全にペーパーレスというわけではなく、書類も使います。なので書類を使いながらパソコンで作業する際にちょうどいい、ノートパソコン用のラックはないかと探していました。が、ネットでも店舗でも、なかなか自分のイメージするものは見つかりません。ならば自分でつくってしまおうと思いました。
 オフィスのロッカーにしまえて、気軽に持ち運べるコンパクトなものが理想でした。さっそくパソコンのサイズを測り、USBメモリーなども挿せて使えるように寸法を決め、集成材と折りたたみのための蝶番を揃えました。

パソコンスタンドとしても使用できる
蝶番を付けて、コンパクトに折り畳めるようにした

 出来上がったラックは観音開きのようにサッと広げて、書類を置きながらパソコン作業を効率よく進めることができます。このような使い方だけを考えて作ったのですが、偶然にもパソコンスタンドとしても使えることが分かりました。自分でイメージしたものを形にする過程にワクワクし、他にはないオリジナルのものを使う喜びを感じています。

自作のパソコン用ラックを使って作業をする。キーボードは外付けを使用。左端にカーブした切れ込みを入れ、書類を立てられるように工夫した

(尾身和洋 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.134(2021年5月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.58」

※この記事は2021年に執筆したものです

まな板がおもちゃに!

 地元のコミュニティカレッジで開かれている「女性のための木工教室」に通って1年半ほどになります。初めは用意された板で作っていましたが、木製おもちゃの本を見た時、不用になったまな板で、木のおもちゃが作れるのではと閃きました。ところが、家のまな板は厚みが3センチ近くもあったため、電動糸ノコの刃が曲がったり折れたりしました。また垂直に切らないと、パズルは片方からしか抜けなくなってしまいます。「アリの歩く速さで」と教えられたとおりに、時間をかけて慎重に切り進めました。

ヨコ47cm、タテ25cm、厚さ2.8cmのまな板を切り抜いて3つのおもちゃを作った

 初めに出来たのは、カタカタと心地良い音を立てる歯車を、曲線に沿って移動させるおもちゃ。次は8頭のゾウのバランスパズルで、手触りが良くなるように紙やすりを丁寧にかけました。3番目は形合わせパズルです。赤しそ、玉ねぎ、なす、ウコン等の草木染めで色を付け、着色、乾燥、研磨を10回以上繰り返し、最後にアマニ油を塗ってやさしい色に仕上げました。残った小さなかけらはイヤリングに。楽しみながら物を大切にする暮らしを送っています。

歯車のおもちゃ。左右に傾けながら曲線に沿って歯車を移動させる
形合わせパズル。積み木としても遊べる
ゾウのバランスパズルは、上手に積み重ねて遊ぶ

(大西淳子 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.129(2020年12月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.53」

※この記事は2020年に執筆したものです

【つくり方】簡単・オシャレな木製バターナイフづくり

焼きたてパンの香りに包まれた食卓。
自分で手づくりしたバターナイフを使って、熱々のパンにバターを塗る。

そんな至福のひとときを、過ごしてみませんか?

初めて木工に挑戦する人でも大丈夫。
一本の端材からオシャレなバターナイフができちゃう感動を味わえます。


準 備 ・ 材 料 

材 料

端材・木片(今回は山梨県産・栗の木を使用)を1本

  ※木材の種類は粘りのある堅い木広葉樹がおすすめです。

   杉などの針葉樹は柔らかいので削りやすいですが、
   パキッっと折れることがあります。

道 具

・鉛筆 

・ペン

・糸鋸(いとのこ) 

・小刀 

・紙やすり(粗い〜細かいものを3,4種類ほど(例:#60、#120、#240、#400))

・布2枚(油を塗る用と、仕上げに拭く用。古着等のハギレでも◎)

・乾性油(紅花、ヒマワリ、胡桃、亜麻仁などの植物油)

※万力(あればなお良い)

準 備

・段ボールの上に新聞などを敷き、更に木の板などを置き、作業ができるようにします。

・手順2以降に出てくるような木板を準備して、作業台にできると尚良いです。


つ く り 方

1.木片にバターナイフの形を描きます。

 握りやすさなどを意識して、自分がつくりたい形を想像しながら、まずは鉛筆で下書きし、ペンでなぞります。

 この時、なるべく片側に寄せて描き、木片の元々の直線を活かすと、削る箇所を減らせます。

 ⚠木目の向きに注意。長手方向に木目が流れるようにしましょう。
  木目の向きを間違えると、簡単に折れてしまいます。


2. 上、横、下の3方向から、残す所と削る所がわかるように線を書いてみましょう。


3. 余分な所を糸鋸(いとのこ)でカットします。
  万力などで挟むと、力が入りやすくてオススメです。


4. カットできました。 カットしたことで無くなった線を描いておきましょう。


5. 小刀で削ります。利き手で小刀を持ち反対の親指で刃の背を押しながら少しずつ、慌てずひたすら削ります刃の背を押す親指が動く範囲内で、刃を動かすようにしましょう。

 ⚠利き手(画像は右手)の力だけで無理に削ったり、
  刃の進行方向に指を置くと大変危険です。


6.  描いた線を残しながら削り、線は最後に慎重に削ります。


7.  横から見ると、このようになります。


8. バターナイフの刃の部分は、均等の厚みになるように、両側から慎重に削ります。
小刀の刃先を使うと削りやすいです。


 ⚠撮影のため小刀に手を添えていませんが、必ず刃の背に親指を添えましょう。


9.   両側の厚みが決まったら、中央のやや厚めになっている部分を削ります。小刀を寝かせて薄めに削ります。


10. 刃の先部分は、板に付けて削るとやり易いです。


11.  この削る作業で、できるだけ最終形に近づけます。


12.  目の粗い紙やすりで形を整えます。

最初は#60前後で行います。
この作業で、傷や凸凹した表面を均して最終の形を決めます

 ⚠紙やすりは、数字が小さいほど目が粗く、大きく削れます


13.  形が決まったら、#120→#240→#400(例)と段階的に目の細かい紙やすりに変えながら、磨いていきます。


14.  磨きました!横から見ると、このようになります。


15.  焼印を入れる場合は、この段階で入れます。

 焼き印を入れた後に油を塗ります。

 ⚠先に油を塗ってから焼印をすると焦げますのでご注意ください。


16. 乾性油を布にとり塗っていきます

 塗ると艶と木目が美しく出てきます。別の乾いた布で拭いて、もう一度#400の紙やすりで磨き、さらに油を塗って拭いたら完成です!

※乾性油・・・紅花、ヒマワリ、胡桃、亜麻仁などの植物油で、空気に触れると固まります。

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【つくり方】枝からつくるオリジナル箸

(SNIクラフト倶楽部事務局)

【実録レポート】初挑戦!山梨県産ヒノキ丸太で橋を手づくりしてみた

 生長の家国際本部”森の中のオフィス”の敷地には、いくつかの小川が流れています。

 今回はそのひとつの小川(幅約1.5m・深さ40㎝程)にかけた、手づくりの橋について材料や作業内容をレポートします。

                                    


橋の手づくりに挑戦!作業を紹介

(1)設計

 橋体は丸太橋です。橋桁に丸太を挟み込むようにして敷き詰めて路面をつくり、同じサイズの丸太で地面に杭打ちをして固定します。


(2)材料の紹介

 今回使用した木材は地元・山梨県産のヒノキで、同県南アルプス市にある、山梨県木材製品流通センター協同組合(木の国サイト)より足場用の丸太を30本、杭用4本、橋桁に4本の木材を仕入れました。同組合は、「がんばろう!県産材」を合言葉に、地域工務店との連携もしています。

地元・山梨県産のヒノキ

 塗料は植物由来のオスモカラー(ドイツ製)で、“森の中のオフィス”の外壁塗装に使用したものを今回分けてもらいました。


(3)下準備

 橋が傾かないよう安定した足場を作るため、地均しをしました。自生していた細い樹木を根っこから切断して取り除き、大きな石は移動し、形のよい石は安定した足場となるよう利用しました。

小川に草木が生い茂る
幅約1.5m・深さ40㎝ほどの小川

 丸太はボルトやナットを使用して固定します。組み上げの時の作業がスムーズに進むよう、予めボルトが必要になる箇所に穴を開けました。また橋を小川に固定するために、使用する丸太は先端を杭状に加工しました。

 また大きなカケヤで打ち込む時に、丸太が割れる可能性があるため、端材を利用して杭打ちキャップを作りました。


(4)手づくりの作業台

 38本の丸太に塗装をしてから組み立て作業をするため、塗りやすく、かつ乾きやすくなるよう専用の作業台も手づくりしました。


(5)橋づくりイベント

 今回、塗装や組み立ての作業はイベントを兼ねて実施し、晴天の中13名が参加しました。


 塗装班は作業場所に塗料が滴り落ち汚れないよう、足下に養生シートを張りました。塗料には伸びがあり、刷毛の先に少々つけるだけでもよく塗ることができます。この日のために作られた作業台もあって、効率よく塗り進めることが出来ました。そして設置場所まで運び、組み立て始めました。


 組み立て班は運ばれてきた丸太を組み立てていきます。図面を確認しつつ、小川に3mの丸太4本を2本づつにしてかけ、前後左右のバランスをみます。次に30本の丸太が橋の路面となるよう、横に敷き詰めていきながらボルト・ナットで締め込みます。橋の型が出来上がったら、杭状に加工した丸太を使って小川に固定します。ここでカケヤを使用しますが、木材が破損しないよう杭打ちキャップを用意して打ち込んだので、綺麗に仕上がりました。

 規模からしたら小さな橋かも知れませんが、現場状況に応じ身を処しながら作業することや、道具の使い方や注意点、例えば大きなカケヤを使う際は周囲への注意が必要など意識が広がったと思いました。


(6)仕上げ

 後日、いよいよ総仕上げです! 組み立て作業中についてしまった足跡を高圧洗浄機できれいに落としてから1日乾かし、総仕上げでオスモカラーを再度塗りました。

 下準備も含めてかかった日数は約7日間。作業に関わった一人一人の力が結集した素晴らしい橋が出来上がりました。

木製の手づくり橋が完成

                                    

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、現在生長の家国際本部”森の中のオフィス”見学は中止しておりますが、終息し再開した暁には、ぜひお越しいただき、渡ってみてください。(要予約:代表番号 0551-45-7777)

                                   

(SNIクラフト倶楽部・尾身和洋)

「こもれび アナザーストーリー」Vol.1

作品名『八ヶ岳ブックスタンド』 作者:暁工房

――今回、お話いただいたのは、ブックスタンドを八ヶ岳に見立てて製作された暁工房さん。
八ヶ岳、といえば山梨・長野両県へまたがる日本百名山の一つです。
そんな八ヶ岳をブックスタンドのモチーフにした経緯や、木工作品を得意とする暁工房さんならではのお話をどうぞお楽しみください。


作品ストーリー

どのようなきっかけで、この作品をつくろうと思いましたか?

5~6年前に「木」という素材で “自分で簡単につくれる・人のお役に立つものを” という発想から「ブックエンド」をつくるようになりました。

はじめは「コの字型」のシンプルなデザインでした。2個のブックエンドの間に大小さまざまな書籍を挟んで並べてみると、そのありさまが八ヶ岳の山々のように見え…それが『八ヶ岳ブックスタンド』のアイデアにつながりました。

――何気ない日常に、アイデアがあったとは、すてきな話です^^


材料のポイント

材料を探すときの基準や大切にしていることはありますか?

廃材や端材でつくるようにしています。
その方がとても表情のあるクラフト作品に仕上がり、私はとても気に入っています。

――材料はどのように仕入れていますか?

製材所が多いです。製材所だと、端材を無料でくださる場合があります。
インターネット等で地元の製材所を検索して、電話で「端材をもらえるかどうか」尋ねてみると良いです。
木造の家を解体したりしている所があれば声を掛けるのも良いですね。
ホームセンターでも端材が販売されていますが、どうしても入手できない場合は、国産材を必ず選んで購入します。
また、ときどきですが、原木や廃材を譲っていただくこともあります。

――材料ひとつとっても、さまざまな仕入れ方法があるのですね。大変参考になります。
そして、環境に配慮されているからこそ、仕入れ方法の豊富さ、考え方の柔軟さへつながっているのだろうなと思いました。

木工店で無料でもらえる端材コーナー
北杜市の製材所で無料でもらえる端材

ものづくりのスタイル

普段、どのようにクラフトを楽しんでいますか?

製作場所は、自宅の車庫が多いです。
自分でつくった木製作業台で、木工品をつくるのが最高です。
大好きなクラシック音楽を聴きながらだと、作業がもっとはかどります。

――好きな場所で、好きな音楽に囲まれてクラフトする時間。いいですね。「最高」の言葉から、楽しさが伺えます。

作品をつくるときは、「自分のためよりも、誰かのためにお役に立てないか?」を常に考えています。その方が、つくりがいもあり、喜びも大きく、時間を有効に使える実感があります。

つくる時間より、「どんな作品をつくろうか?」と考えている時間の方が長いかもしれません。(笑い)

また、自分でも簡単につくれるものはないかと、常に情報収集しています。木工サイトやSNS、雑貨店やクラフト市めぐりだけでなく、ファッション関係、スーパー、ホームセンター、レストランなど、ありとあらゆるお店にある陳列棚、小物、お店の看板などを眺めては、「木で製作できないか?」と自分に問いかけて、日々ワクワクしています。

――クラフトに対する日々の姿勢からも、クラフトへのよろこびが伝わってきます。

思うように工程が進まないこともあります。

木工製作ばかりしていると飽きてくるというか(笑い)、
そんな時は、畑仕事や部屋の片づけ、整理・整とん、薪割りと、ほかの作業も同時並行で行うことで、また新たなアイデアが浮かび、満足のいく作品に仕上がっていきます。

――日常の中にクラフトが溶け込んでいることが垣間見え、肩の力を抜いて楽しんでいいのだな~と思えるお話ですね。

自宅車庫の作業場
自分で作った作業台

失敗は成功のもと!

ずばり「失敗は成功のもと!」と思う話がありましたら教えてください。

おおよそ、つくりたい作品の絵を描いてから製図を簡単に書きますが、製図どおりに完成したことはありません。(笑い)

必ず途中で寸法が狂ったり、歪んできたりしますが、それをどうにか解決していく過程が楽しく、完成したときの喜びは一入(ひとしお)です。

私は、多少隙間が空いたり曲がったりしていても、味わい深い作品になると信じています。だから、初めから傷が入っていたり、汚れていたり、塗装が施してあるような廃材・端材を使うことが大好きになりました。
サイズがバラバラで使いづらいかもしれませんが、捨てられる予定だったものから、また新たなモノをつくり出すことが楽しく、愛着がわき、私たちの身の回りにあるどんなモノでも大切に使っていきたい気持ちが湧いてきます。

――失敗と捉えてしまいそうなことも、暁工房さんにとっては、面白さのひとつであり、味わいとして感じていらっしゃるのですね。そして、モノを大切にすることにつながっていく心の持ち方も、クラフトの醍醐味なのだと感じます。

端材で作ったアクセサリー掛け
県産の唐松材で作った階段
ナラのブックスタンド(生光展※で奨励賞を受賞)
端材で作った木箱

(※生長の家の美術公募展)


作品のここに注目

おすすめの使い方を教えてください。

一般的なブックエンドは1個で使うことが多いですが、「八ヶ岳ブックスタンド」は2個1組で使います。そして、大小さまざまな書籍をたくさん並べることによって、作品が生きてきます。

~~と、いうことで実際にやってみました^^~~

 本の大きさによるジグザグがひとつのアートになるブックスタンドとは、画期的で素晴らしいアイデアですね!色んな高さの本を並べてみたくなります。

さいごに

今回の「こもれび アナザーストーリー」はいかがでしたでしょうか?
参考になる話も多く、クラフトへの意欲がぐんぐんと湧き出てきた方もいるのではないかと思います。
私自身、作者の方へお話を伺うことで、共感したり、知らないことを知るよろこびであったり、楽しい時間となりました。
今後も展示作品を出品いただいた作者の方へお話を伺っていく予定です。
次回は、どんなアナザーストーリーを聞くことができるのでしょうか?
次回もどうぞおたのしみに~♪♪

(聞き手:SNIクラフト倶楽部・松尾富美子)


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枝のボールペンとアルファベット・キーホルダー。ボールペンの替え芯は、ペンチを使って取り替え可能。使い終わった枝は森へ。キーホルダーは「自然の恵みフェスタ」に出品。お友達にもプレゼントしている

森からいただいて……

 息子が通っている保育園は、雨の日も風の日も、雪の日も森へ遊びに行く。息子はよく木の枝を「お土産だよ」と言って持って帰ってくる。息子のお気に入りの枝以外は、冬に薪ストーブをつける時の木っ端に使わせてもらう。


 ある日、木っ端に適した長さに枝を折っていると、ふと、この枝で何か作りたいなと思い、枝を眺めながらいろいろ考えた。そこで出来上がったのが、小さい頃憧れていた“枝のボールペン”と、枝を輪切りにして作ったアルファベット・キーホルダー。

枝のボールペンとアルファベット・キーホルダー。ボールペンの替え芯は、ペンチを使って取り替え可能。使い終わった枝は森へ。キーホルダーは「自然の恵みフェスタ」に出品。お友達にもプレゼントしている
枝のボールペンとアルファベット・キーホルダー。ボールペンの替え芯は、ペンチを使って取り替え可能。使い終わった枝は森へ。キーホルダーは「自然の恵みフェスタ」に出品。お友達にもプレゼントしている。

 木から枝が落ち、自然に還る前に少しだけ使わせていただく。森からいただいた枝を丁寧に扱いながら作り上げていく。貴重な資源だから、手にした人もきっと大切に使ってくれる、自然のあたたかさを感じてくれると信じて……。

(N・K SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.96(2018年3月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.20」

※この記事は2018年に執筆したものです

「音楽」を飾る

 職場ではクリスマスの頃にプレゼント交換会があり、私はCDスタンドを作りました。
 最近はCDから音楽データを取り込んだら、あとはすぐ売り払ったり、家の隅でほこりをかぶったりしている人もいますが、CDを小さな絵のように飾り、ゆっくり音楽を聴く時間を持っていただければという思いで作りました。


 材料は、同僚の方に頂いたサクラの枝と、むかしDIY用に買った板の端材で、柿渋で塗装しました。塗装をしていないサクラの枝の色と、いい感じになじんだかも。
 四隅はミニカンナで、丸みのある仕上げにしました。CDを載せると背板は正面からは見えなくなり、サクラの枝の上にCDだけが乗っているようになります。
 受け取ってくれた方は、大切に使って下さっているとのことで嬉しいです。


(田中晴夫・SNIクラフト倶楽部)

白鳩』誌No.94(2018年1月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.18」

※この記事は2017年に執筆したものです

「再生」させることの楽しみ

角材にドリルと棒ヤスリで穴をあける
キューブ状に切り出す
柿渋を塗り、飾りをつける

 2年前、「自然の恵みフェスタ」に何か出品しようと思ってひらめいたのが、壊れた衝立ての再生です。理科教材店で買ったままだった試験管もあり、衝立てをばらした角材と試験管を組み合わせて、一輪挿しを作ることにしました。


 角材にドリルで穴を開け、キューブ状に切ったものに試験管を挿すのですが、試験管とドリル刃の直径が合わず、ドリル刃を4回も買い直し、棒ヤスリでも削りました。キューブ部分も正確に切れず、台形になったり、ドリル穴も垂直にならず、ピサの斜塔のようなものも……。飾りのモチーフは、絵心のある妻の作です。


 柿渋で塗装し、「puu(フィンランド語で木の意)」というブランド名をつけて、完成した5個を出品すると、嬉しいことに完売しました。ものを再生させることは、新品を買うより楽しくて創造的な体験です。

(田中晴夫・SNIクラフト倶楽部)

白鳩』誌No.93(2017年12月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.17」

※この記事は2017年に執筆したものです

生命あふれる森のために

 戦後、日本では復興で使う木材を供給するため、全国に植林が行われましたが、その後、安価な輸入材が大量に入手できるようになり、植林された森林の多くは間伐されず、放置されてしまいました。


 私はそうした森林を見たことがありますが、非常に細い木が密集しているので、昼間でも暗く、ほとんど下草が生えていません。こうなると昆虫がいなくなり、昆虫を餌にする小鳥や小動物もいなくなり、さらに、これらの小動物を捕食する猛禽類なども姿を消してしまい、健全な生態系が成立していない“死んだ森”となってしまいます。


 ですから、国産の リ材を利用することは、森の復活に貢献できることになるため、現在は何かを作る時には木材選びから考えるようになりました。一例ですが、写真の木製コースターは、地元山梨県で育った杉を使って作りました。生命あふれる森が少しでも増えることを祈りながら、これからもクラフト制作を続けたいと思います。
       

(國分祥行・SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.89(2017年8月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.13」

※この記事は2017年に執筆したものです

リサイクルのすすめ

 180cm×90cmの合板が不要になりました。粗大ゴミで出そうと思いましたが、この時、「何かにリサイクルできないかなあ」と思案。そこで、当時保育園に通っていた四男の机の製作を考えました。四男が使っていた机は、高校生になる長男が幼稚園の頃、夏休みの宿題として親子で製作した小さなテーブルでした(写真①)。四男は小学校に入学する前だったので、別の机を用意しようと思い、早速製作(写真②)。しかし合板は半分残りました。そこで、リビング用の小さなテーブルも製作(写真③)。結果、2つの物を新しく産み出すことができました。

写真① 四男が以前使っていたテーブル
写真② 合板をリサイクルして制作した四男の机
写真② 合板をリサイクルして製作した四男の机
写真③ 余った合板で作ったリビング用テーブル


 「不要になった物は捨てるしかない」とつい思ってしまいますが、その前に「何か」に使えないか考えてみるのは楽しいことです。また、何らかの手を加えてリサイクルしたものは愛着もわき、長く使うことにもつながります。写真①の古いテーブルは、今も屋外用の作業台として活躍しています。


 (國分祥行・SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.88(2017年7月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.12」

※この記事は2017年に執筆したものです