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困難よりも希望に着目した脱炭素への取り組みを

自然エネルギーのこと

2021/02/13

 以前えねにっき(1月31日:文責 山岡)で、政府が発表した2050年の脱炭素社会の実現に向けた実行計画について、ご紹介しました。

以前えねにっき(1月31日:文責 山岡)

 政府が国をあげて地球温暖化に歯止めをかける実践へ本腰をいれる覚悟を示したのは、とても、明るいニュースです。
 しかし、一方で、2050年(29年後です!)までに温室効果ガス排出を実質ゼロにするのは極めて困難だろうと、産業界などから冷ややかな意見も出ているようです。NHKの行った世論調査では、温室効果ガスの排出量を減らすための日本の取り組みについての質問に対して、6割の人が「進んでいない」と考えていることがわかりました。(※出典1)

 確かに、今のペースのまま温室効果ガス排出量の減少が続いたとしても、2050年に実質ゼロにするのは極めて難しいのは事実です。こういうと、今までわが国は何をやってきたのか、と思うかもしれません。脱炭素社会の実現に向けた道は遠く、険しそうだと。

 しかし、わが国の取り組みは、まだ十分でないとはいえ、捨てたものでもないのです。次の統計をご覧ください。
 国立研究開発法人国立環境研究所によると、わが国での温室効果ガス排出量は、
 2013年 14億1,000万トン
 2018年 12億4,700万トン
 2019年 12億1,300万 トン
となっており、6年間で1億9700万トン減少しているのです。(※出典2)
 さらに、経済産業省自然エネルギー庁によると、わが国は2013年度以降、5年連続で温室効果ガスの排出量を削減しており、これは、G20の中で日本と英国のみで、合計で12%の削減は、英国に次ぐ削減量であるとのことです。(※出典3)

図の出典(※出典3)主要先進国の温室効果ガス排出量の推移
:(Greenhouse Gas Inventory Data(UNFCCC)を基に作成) 図の出典(※出典3)主要先進国の温室効果ガス排出量の推移 :(Greenhouse Gas Inventory Data(UNFCCC)を基に作成)

 このように、前年度と比べて排出量が減少した要因としては、エネルギー消費量の減少(製造業における生産量減少等)や、電力の低炭素化(再エネ拡大)に伴う電力由来のCO2排出量の減少等があげられる(※出典2)とのことです。

 私たちは、何かを達成しようとするとき、困難な面にばかり目を向けて努力しても、その目標が難しいほど、また達成までに時間がかかるほど、あきらめや無関心になりがちです。
 しかし、それと反対に、希望のある面、少しでも達成できた面に着目し、一歩一歩脱炭素社会への道に進み出したことを素直に喜び、自分たちの取り組みをお互いに讃嘆することで、達成への意欲が湧き、前進への力に変えることができます。
 そして、前進の力は、継続すればするほど、そして多くの個人が賛同して協力するほど、大きな実現力となるのです。

:筆者撮影。ある日の昼時。光の射す方へ力強く流れていく河に元気をもらいます。 :筆者撮影。ある日の昼時。光の射す方へ力強く流れていく河に元気をもらいます。

 わたしたち個人にも脱炭素社会へ向けてたくさんできることはあります。
 企業を動かすのは、どんな物やサービスを要求するか、何を購入するかという私たち個人個人の消費者の選択であるからです。
 そこで、まずは、毎日使う電力を、少しでも多く、自然エネルギー由来の電気に変えることから始めてみませんか!
 さきほどご紹介したように、国立環境研究所(環境省)の発表によると、前年度と比べて温室効果ガス排出量の減少に成功した理由のひとつに、電力の低炭素化つまり、再生可能エネルギー(自然エネルギーも含む)の拡大に伴う電力由来のCO2排出量の減少があげられています。ですから、化石燃料や原発由来の電気を中心に販売する大手電力会社から自然エネルギー由来の電気を供給する新電力(PPS)に変えることで、自然エネルギーの利用拡大を促し、CO2の排出削減に貢献することができるのです。

 自然エネルギー由来の電気の販売を積極的に行っている電力会社の情報はインターネットなどで見つけることができます。(なお、生長の家では、原子力発電は勧めません。原子力発電は、温室効果ガスを排出しないとはいえ、放射性廃棄物という、すべての生物にとって極めて危険な物質を排出するからです。現在も放射性廃棄物の有効な最終処分方法は見つかっていません)

 ご参考に・・。下記の図をご覧ください。

図の出典(※出典4):「日本の1990-2018年度の温室効果ガス排出量データ」(2020.4.14発表)*排出量の単位は[百万トン-二酸化炭素(CO2)換算] 図の出典(※出典4):「日本の1990-2018年度の温室効果ガス排出量データ」(2020.4.14発表)*排出量の単位は[百万トン-二酸化炭素(CO2)換算]

 図内の「エネルギー転換部門」とは、発電所等を指します。また、「間接排出量」とは、発電所での発電により排出される二酸化炭素(=温室効果ガス)を、そのまま数字として示した値(=直接排出量)に対し、発電に伴う温室効果ガス排出量を電力消費量に応じて最終需要部門に配分した後の値のことを指します。
 家庭でのエアコンやテレビ、照明などの電力消費による排出量など、ほんの微々たるものだろうと思いがちですが、この図を見ると、家庭での排出量は15%近くに達し、意外と多いのです。運輸部門と比較しても4%ほどしか変わらないことがわかります。

 どの電力会社から電気を買うか。
 私たちのその選択が、温室効果ガスの増加に加担するのか、それとも削減に貢献するのか、この図からもわかります。自然エネルギー由来の電力の販売に努力している電力会社の電気を使うこと。それは小さなことのようですが、そのような消費者が増えれば、脱炭素社会の実現にとって、間違いなく確実な貢献になるのです。

                          (環境共生部 井手由香)

※出典1
:NHK政治マガジン「温室効果ガス削減「日本は進んでいない」6割」(2021年1月31日)

https://www.nhk.or.jp/politics/articles/lastweek/52739.html




※出典2
:国立環境研究所公式HP「2019年度(令和元年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について」(令和2年12月8日(火))・環境省公式HP

http://www.env.go.jp/press/108734.html




※出典3
:経済産業省自然エネルギー庁公式HP「2020—日本が抱えているエネルギー問題(前編)」(2020年11月18日)

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energyissue2020_1.html




※出典4
温室効果ガスインベントリオフィス
全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイトより

http://www.jccca.org/