紙ヒコーキで気分転換

 前回は段ボールの凧をご紹介しましたが、外出自粛が続く中、今度は大人も楽しめるものをつくろうと思いました。
「在宅勤務中は適度に休憩を取ることが、効率よく働くコツ」と紹介している記事を読んだので、家の中で気分転換になる“遊び“はないかと考えたところ、小さい頃よく遊んだ紙飛行機を思い出し、インターネットで調べてみました。

インターネットで調べて作った紙飛行機。2メートルほどのだ円を描いて、手元に戻ってくる。回っていく方向側の主翼の後端を、反対側より2倍に折っている

 興味を惹かれたのは、手元に帰ってくる紙飛行機です。何10メートルも飛んで戻ってくるものや、数メートルで帰ってくるものもあります。また、形も様々でした。私が動画サイトで見つけたものは、先端が尖っていましたが、家の中では危ないので、先端は折り返し、さらに小さい円で飛ぶように手を加えてみました。

後端を三角の形に折り
折ったところを、写真のように広げることで、クルッと帰ってくるようになる

 材料は、折り紙でなくても、コピー用紙などの再利用で充分です。飛ばすとその場に帰ってくるゆったり感がなんとも心地良く、数回飛ばすといい気分転換になります。動画サイトにはいろいろな作り方が出ています。とても簡単なので、つくってみませんか。

(尾身和洋 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.133(2021年4月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.57」

※この記事は2021年に執筆したものです

壊れた傘で手づくりしよう!

 雨の日、お店の入り口に用意してある雨傘用のビニール袋。地球環境のために脱プラスチックが叫ばれている今、店内にいるほんの少しの時間のためにだけ使われ、捨てられていくのがとても嫌でした。娘の傘で、骨は折れても、生地は傷んでいないのが数本あり、柄が可愛くて捨てずにいました。この生地を使って“マイ傘袋”をつくりました。これがあれば、お店で雨傘用ビニール袋を使わずに済みます。
 骨から外し、解体した傘の布を2枚使います。傘は、だいたい8枚はぎが多いので、1本の傘から4つの傘袋がつくれます。袋を2つに折り曲げれば、折り畳み傘も入れることも出来ます。

【作り方1】生地を外し、縫い目をほどく。2枚のはぎを中表にして、写真の線の部分を縫う
【作り方2】縫って、広げた図。縫い幅は約15cmにする。半分に折った時に傘が入る幅が必要
【作り方3】縦に半分に折って、線の部分を縫う。余分な生地はカットし、裏返したら完成
巻き止め用の紐はそのまま再利用

 別の傘の生地を使って、愛犬のレインコートもつくりました。特にわが家の犬は足が短いコーギーで、雨の日の散歩はお腹がドロドロになるため、レインコートが重宝します。元々持っていた犬用のレインコートから型紙を採りました。試着のときは、新しいレインコートに興奮して大変でした(笑)。捨てずに工夫し、楽しくプラスチックの削減が出来ています。

(津島昌子 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.125(2020年8月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.49」

※この記事は2020年に執筆したものです

干しかごを手作りし、本当の豊かさを思う

 非常時用の保存食作りを始めた。野菜などを天日に干して保存食にする。その際に使う干しかごを手作りした。材料はソテツの葉と竹。いつか使えると思って取っておいた頂き物のソテツの葉の出番となり、竹は実家の裏山のものだ。

手作りの干しかごで保存食を作る。椎茸と人参は雑炊の具にしたり、他の野菜と煮たりして活用。生姜は粉末にして紅茶や味噌汁に入れて使う

 まずは、鉈をトントンと振り下ろし、竹を縦に割っていく。スコンと割れた時は、とても心地がよい。この竹を格子状に組み、端を麻紐で一つひとつ結んでいく。時間はかかったが、基礎の枠組みができあがった。

 外周に使った細い竹は手でしならせて、少しずつ丸みをつけた。ものづくりの良さは、手などの感覚を通じて、ものの性質を体感できることだ。丈夫でありながら、しなやかな竹。その感触にふれるときに感動し、竹というものを創り出した、いのちの世界の豊かさを思う。
 格子状に組んだ竹にソテツの葉を挟み込んで完成した。短い葉が残ったので、それらを生かせるように、間に竹を渡す工夫もした。いのちを生かすこと。わずかなものも無駄にしないこと。クラフト製作から本当の豊かさを学んだ。

竹を格子状に組み、ソテツの葉を挟み込んでいく
ソテツの葉は硬く、かごを作る材料に適していると感じて選んだ

(Y・F / SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.115(2019年10月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.39」

初めてかんたん!15分でできる指編み・麻紐たわし

編み物」と聞くと、時間がかかる・難しそう
そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。

今回ご紹介するのは、道具不要、短時間でできる麻紐たわしです。

初めての人は15分~、慣れてくると1個10分ほどで完成します。
食器用たわしから、他の用途にも使えます。

石油由来のスポンジは、使用していくうちに、
ゴシゴシと擦れたスポンジ表面・毛羽立ったアクリルや、
ほつれたネット、小さなプラスチックの粒子や繊維などが排水溝へ流れて、
マイクロプラスチックによる海洋汚染の問題にも。

自然素材なので、環境にも負荷が少ないこともうれしいですね。


用意するもの

・麻紐(できれば国産、または国内製造のもの) 約4メートル

・はさみ

・メジャーまたは定規(なくてもOK)


所要時間

初めての人で15分(慣れると10分)


つくり方


こちらからも作り方を見られます!

青字の時間をタップすると、ピンポイントで動画の手順に飛ぶことができます

0:08 完成品はこちら


0:15 用意するもの


0:27 (1)麻紐を4メートルにカットします


0:35 (2)紐のはしを10cmほど残し、親指に紐をかけます。最後にはずしやすいようにキツく結ばないことがポイントです。


1:14 (3)人差し指の腹(内側)から各指に交互に紐をかけます


1:21 (4)指までかけたら折り返します 。交互に紐をかけます。


1:31 (5)編んでいない紐は、手のひらの上へ


1:37 (6)親指と人差し指の間の紐を引っ張り、人差し指をくぐらせて、紐を人差し指の背(外側)に持っていきます


1:50 (7)編んでいない紐の下から指を入れて、中指にかかっている紐を引っ張り、中指の背(外側)に持っていきます


2:06 (8)薬指の紐をひっぱり、背(外側)へ持っていきます


2:19 (9)続けて小指も編みます


2:43  小指まできたら、編んでいない紐は手のひらの上へ


2:48  小指、薬指、中指・・・と順番に編んでいきます


3:46  人差し指まで編んだら、再び折り返して人差し指、中指・・・と順番に編みます


5:26  これを繰り返し、計7往復ほど編みます 。(手の大きさや紐の緩さで異なります)


6:12 (10)紐の端が残り10cmくらいになり、人差し指または小指まで編んだら、作業を止めます


6:21  小指(または人差し指)の輪を外して、紐の端を輪に通します 。紐の端は、輪の上下どちら側から通してもOK。


6:44  他の指も一本ずつ外して、輪に紐を通します(親指以外)


7:24 (11)両端の紐を左右に引っ張ります


7:48 (12)根元で2回、本結びをします


8:15 (13)最後につり下げ部分の輪を作ったら完成です


こちらもおすすめ!

かぎ針で編むコットンたわしのつくり方


(SNIクラフト倶楽部)

つくる、祈る、日々の生活 No.6

森の散歩から生まれた、素朴であたたかい小物

 わが家では、冬期の暖房として薪ストーブを使っているので、焚きつけ用の小枝の準備は欠かせません。ウォーキングのついでに、自宅周辺の森で小枝を拾うのが日課です。

 そんなある日、樹皮が赤紫色を帯びた褐色で、光沢のある小枝を拾いました。調べてみると、ヤマザクラだと分かりました。


「こんな美しい小枝を、焚きつけ用として燃やしてしまうなんてもったいない! 木工作品として生かせないだろうか?」



 こうして作ったのが、今回ご紹介する花器です。ノコギリでいろいろな長さに切断した小枝を、使い切ったガムテープの芯にボンドで固定しただけのシンプルな器。そこに妻が、森で拾ってきた木の実や葉などを飾ってくれ、素朴であたたかみのある作品に仕上がりました。

 お店で買わなくても、ちょっとした工夫で心豊かに暮らせるもの。そんな生活を夫婦で楽しんでいます。


(永井 暁・SNIクラフト倶楽部)


作り方

①使い切ったガムテープの芯と小枝を用意し、小枝は適当な長さにノコギリで切っておきます
②芯の周りに小枝を並べて輪ゴムで仮止めした状態で、木工ボンドで固定して完成! 
その中に好きなものを飾ってみましょう

『白鳩』誌No.81(2016年12月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.6」

【つくり方】簡単♡リボンガーランドの作り方

簡単にできるリボンガーランド♪
お部屋やお庭の飾り付けに、かわいいガーランドの作り方です。

< 材 料 >

  • 布(30㎝×約37㎝) ×2枚
  • 麻ひも 約400㎝    ×1本
    ※上記の材料でリボン10個のガーランドができます。

< 道 具 >

  • 布切り用はさみ
  • 縫い糸(縫い目は隠れるのでどんな色でもOK。自宅に綿の糸があれば綿をオススメします)
  • 縫い針
  • 定規
  • チャコペン(なければ鉛筆でもOK

< 作 り 方 >

(1)黄色の布を3㎝×10本に裁断します。まずは30㎝の辺に対して、3㎝ごとにしるしをつけます。


(2)3㎝ごとに裁断します。


(3)1枚の布から3㎝のリボンが10本できます。もう1枚の布も、同じように3㎝×10本に裁断します。全部で20本できます。


   ロータリーカッター(布切りカッター)があると、きれいに裁断できます

ロータリーカッターを使用する際は定規を傷つけないように、
ステンレスのエッジがついた
カッティング定規がおすすめです

(4)中心にむかって左右から折り、中心で縫い合わせます。 後ほど麻ひもに結ぶ際に、この縫い目は見えなくなりますので、簡単に縫います。(20本のうち10本を縫います。) 縫わずにホチキスで留めるのも簡単です。

ミシンがある方は、ミシンでもどうぞ!


10本縫い合わせました

(5)麻ひもにリボンを結びつけます。(4)で縫い合わせた1つを、縫っていないリボン1本で麻ひも結びます。


(6)リボンの形を整えます。

10個リボンをつけたら完成です!


異なる柄・色の布で作ってみました。これもオシャレ♡

簡単にできるので、ぜひ作ってみて下さい♡

(SNIクラフト倶楽部)

【つくり方】立体型布マスクのつくり方

こんにちは♪ 今回は立体型の布マスクのつくり方を紹介します。

【 材 料 】

・表地・・・綿や麻のお好きな生地 タテ18cm×ヨコ35cm 1枚
(今回は綿麻混の花柄生地を使いました)

・裏地・・・ダブルガーゼ生地  タテ18cm×ヨコ30cm  1枚
(今回はダブルガーゼ生地を使いました。1枚重ねのガーゼ生地を使う場合は、これを2枚用意)

・糸(木綿)

・マスクゴム紐・・・約30㎝を2本
 ★ゴム紐の伸縮によって、用意する長さは前後します。また、男性が使用するマスクは約35㎝あると余裕があります。

 ★ゴム紐がない場合はこちらを参考にどうぞ

【 道 具 】

型紙(プリントアウトしてご利用ください。印刷する際は A4サイズ 100%で出力してください)
・ミシン(なければ手縫いでOK)
・裁ちばさみ、糸切りばさみ
・まち針
・紐通し
・アイロン、アイロン台

【つくりかた】

★ 〈ポイント!〉
 綿やガーゼは縮むため、事前に生地を水通ししておきましょう 

型紙をA4サイズで印刷し、形通りに切ります。


②裏地を二つに折り、 裏地の型紙(点線を折り曲げる)サイズにあわせて裁断します。 これで裏地が2枚用意できました。


③表地につかう布を中表(※1)に折り、 表地の型紙(点線を折り曲げない)サイズに合わせて 裁断します。 これで表地が2枚用意できました。
(※1 できあがりに表にしたい面を内側にして生地を重ねること)


④上記②で裁断した裏地を2枚重ねた状態で、前中心を縫い代1㎝を残して縫います。同じく上記③で裁断した表地を、中表で2枚重ねた状態で、同じく前中心縫い代1㎝を残して縫い合わせます。(写真は表地。完成時に表にした面を、内側にして縫い合わせます。)


⑤裏地、表地ともに、縫い目から2㎜位を残して、縫い代部分に1㎝間隔でハサミを入れます。


⑥ 縫い代部分を手で開けて押さえ、アイロンで開いた状態を固定させます。(「アイロンで割る」といいます) 表地、裏地と共に縫い代をアイロンで割ります。


⑦表地と裏地を中表に合わせ、中央で表・裏の縫い目同士ぴったりになるように重ね、上下を縫い代0.7㎝~1㎝で縫います。縫うのは、裏地の端点から端点までです。


⑧ 縫い終えたら、表にひっくり返してアイロンで形を整えます 。


⑨次に表布の両側を1cm→2cmの三つ折りで内側に折り、アイロンをかけます。
この時、折り山がちょうど裏布の端になっているはずです。


⑩三つ折りしたところを縫います。縫い始めと縫い終わりは力がかかるので、返し縫いをしましょう。


⑪ゴム紐を紐通しを使って通し、結びます。結び目は、ゴム通し口の中に隠します。

完成です!


【もしもゴム紐がなければ・・・】

(1)自宅にある余り布で、紐をつくる方法

<材料> 
・余り布(タテ45~50㎝×ヨコ4㎝)×2本
 (できたら綿だと肌触り◎)

①サイズに裁断した布を、1㎝幅で4つ折りにしてアイロンをかけます。

②ギリギリ端を縫います。

③作った紐を通します。
ゴムとは異なり伸縮はしませんが、
長さを調節できる結び方をすれば、ゴムよりも耳が痛くなりにくく快適に使用できます。

紐の長さを調節できる結び方はこちら


(2)コットン毛糸を編んで紐をつくる方法

<材料・道具> 
・コットン毛糸
・かぎ針

①くさり編みで約35㎝の紐を2本つくります。

② 作った紐を通します。ほどよく伸縮し肌触りも気持ちよいです。長さを調節できる結び方をして、快適に使用できます。


むすびに・・・想いとこだわり

新型コロナウィルス感染拡大の影響で、布マスクを手づくりされる人が増えているかと思います。このつくり方ページが、少しでもお役に立てることを願いながら、最後にSNIクラフト倶楽部の想いをご紹介します。

自然素材を選ぶ(購入する場合は、可能な限り国産・日本製)
 マスクの材料としてよく使われるのは、主に綿。
 他に、麻などの自然素材でマスクを作ることがほとんどかと思いますが、
日頃から手芸・木工などクラフトをする際には、石油由来の材料は使わずに自然素材、そして可能な限り国産・日本製を選ぶようにしています。

自宅にあるものをリメイク、活用する
 ものを大切にする、不要になったものに新たな生命を吹き込み、末永く使うよう心がけています。


そして最後に
世界中で感染が広がっている新型コロナウイルスの一日でも早い終息と、
亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、

使い捨てマスクの生産・流通が従来通りになったあとも、
使い捨て文化に戻るのではなく、繰り返し使える布マスクを日常的に使う方がひとりでも多く増えることを願っています。

(SNIクラフト倶楽部 松尾純子)

布マスクを作ってみよう&使ってみよう

〈目次〉
【布マスクをすること】
【作るときに気になること】
  ①《布マスクの種類》
    長さを調節できるひもの結び方
  ②《生地の種類と特徴》
  ③《ちょっとした一工夫》
【使い方】(洗い方・干し方)
【布マスクっていいなあ】
【できることからやってみよう】


Ⅰ【布マスクをすること】

現在(2020/04/11時点)、使い捨てマスクの品薄状態が続いており、 政府からは布マスクが各世帯に配布されるとの発表もありました。

今まで、布マスクを使うことがなかった方も、使うことを視野に入れはじめているのではないでしょうか?

最近では「咳エチケット」(※)という言葉も聞きますが、 症状がなく知らずに感染している場合でも、マスクをしていることで、 周囲への感染を防ぐ効果があるとされています。

また、使い捨てマスクは24時間の生産体制で増産されていますが、世界中でマスクを必要とされているため、生産が追いついていないという現状があります。


そんな中、医療機関への配布が優先されているのは、医療従事者が感染すると、病院の外来を閉めることになり、医療を受けられない状況が生まれてしまうためです。 命を救う医療を守るために、今は医療機関への配布を優先することが第一と考えられます。


他者への感染を防ぐことが必要とされながら、使い捨てマスクが十分に供給される状況ではない今、布マスクを使うことが選択肢のひとつになるでしょう。

布マスクをすることに不便を感じたり、
面倒だと考えられるかもしれませんが、

「今、できるかぎりのことをする」
こうした小さな意識が世界全体への協力になるのではないかと思います。

(※)参考サイト:厚生労働省HPより

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Ⅱ【作るときに、気になること】

現在、SNIクラフト倶楽部のFacebookグループには、 「布マスクを作りました」と毎日たくさんの投稿があり、 布マスク作りに関する情報のやり取りも、活発に行われています。

そのやり取りを目にしているだけでも、最初はぼんやりとしていた「布マスク作り」について、 少しずつ身近に感じられるようになっている感覚が、わたし自身ありました。

今、読んでくださっているあなたにも、何かヒントになることがあれば嬉しいです。


①《布マスクの種類》
②《生地の種類と特徴》
③《ちょっとした一工夫》


の3つにまとめてご紹介します。

ぜひ、どんなマスクを作りたいか、イメージしながら参考にしてください。



①《布マスクの種類》

布マスクの種類って、こんなにもあるのですね。

今はマスクの材料である「ゴム紐」も品薄状態が続いていますので、「ゴム紐」にこだわらず、代用できる方法を考えるなど、柔軟な視点を持つことも大事になってきますね。

最近わたしも布マスクを作った際に、コットン毛糸を三つ編みにして、使用しました。


その際、紐の結び方は、固結びではなく、長さが調整可能で、かつほどけにくい「ネクタイ結び」を採用しました。

<長さを調節できる結び方>



②《生地の種類と特徴》

布マスク作り初挑戦の方は、
特に、「どんな生地を用意すればよいのか?」という疑問点からスタートする方も少なくないと思います。

マスクに使用しやすい生地がイメージできたら、購入せずとも、家にある再利用可能な布を使うこともできそうですね♪



③《ちょっとした一工夫》

何度も洗って使用するマスクですので、 できるかぎり満足のいくものに仕上げたいものだと思います。

・アイロンをかけながら行う
・最初に生地を水通しする。
・マスクを作ったあと、何回か洗ってみて、使い勝手・使用感を確認する

など、作業のコツを紹介する投稿もありました。

わたしもアイロンを使用し、2種類の生地(裏地にさらしガーゼ2枚・表地に麻の生地1枚)を使用して作りました。

ガーゼのみではやわらかすぎるため、少し丈夫な生地を合わせて作ることもおすすめです。


他にも、
・使い捨てマスクの「ワイヤー」を布マスクに再利用
・型紙は子ども用は大人用の型紙を80%縮小印刷(男性用は110%拡大)
など、参考になるアイディアの投稿もありました。

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Ⅲ【使い方】(洗い方・干し方)

布マスクを清潔に使うには「洗濯する」ことが欠かせません。

自分にとって継続できる方法を選ぶことが、継続的に使えるコツだと思います。

以下に布マスクの洗濯方法と、
後半には参考になる動画を紹介します。
これから使ってみたいと思う方は参考にしてください。


《布マスクのお手入れ方法》


①洗面器などに70℃以上 のお湯を入れ、マスクを10分ほど浸します。

②洗濯用の中性洗剤を使い押し洗いをします。
このとき、もみ洗いをすると型崩れや、生地が傷む原因となります。
(お湯が冷めていない時は水を入れてくださいね)

③何回か水を替えてすすぎます。

④タオルや手ぬぐいなどに挟んで、軽く押さえ、水気を取ります。

⑤日陰で風通しの良いところで干します。

洗濯機で洗う場合は、ネットに入れるなどしてください。


【参考】 布マスクの洗い方動画 ( 作成 : 厚生労働省・経済産業省)

※参考動画では塩素系漂白剤を使用すると説明されていますが、
自然環境に配慮する視点から、
酸素系漂白剤や、重曹・クエン酸などを使って衛生的に保つ人もいるようです。
清潔・衛生に気をつけ、環境にも配慮できると良いですね。

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Ⅳ【布マスクっていいなあ】

新型コロナウイルス感染拡大の予防として、
注目されている布マスクですが、

環境問題の観点からも見ても、優れた面があるように思います。 洗濯して何度も使えますので、ごみを減らすことができます。

産業革命以後、大量生産・大量消費が一般的となり、今では使い捨てなどによるプラスチックごみが、世界中に溢れています

そのような中で、
主にポリプロピレンやポリエステルで作られている使い捨てマスクより、 手づくりで繰り返し使えるもの をわたしは選びたいと思いました。

布マスクを自分で作ることができれば、材料も環境に負荷のかからないものを選ぶことができます。


また、化学繊維ではなく、綿などの自然素材で顔を覆うことは、自分にとってもやさしい選択になると思います。


あるSNI クラフト倶楽部メンバーの方の話では、 3歳の息子さんが使い捨てマスクは肌触りが苦手なようで、 付けてもすぐに外してしまう・・・とのこと。

しかし布マスクにしたら、「ガーゼのこれは柔らかくて気持ち良い」と、
長時間、嫌がらずつけられたそうです。

ちなみにこの方は、縫わないマスク(ガーゼを折り曲げて、ゴムをつけたもの)で
息子さんのマスクを作られたそうですが、

人混みの中や 待合室など 気になる場面で、サッと作ってあげることもできてよいとのことでした。

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Ⅴ【 できることからやってみよう】

今回の新型コロナウィルス感染症拡大をきっかけに、「布マスクを作りました」という人をたくさん拝見しました。

作られた方はどなたも楽しそうで、
いきいきとされている雰囲気が印象的でした。

「足りない」ことへ目を向けるのではなく
できることから「やってみよう」と、
生活の中で良い面に目を向けること。


また、「人の役に立てることはないだろうか?」愛を与える行為によって、
誰かと繋がるよろこびが生まれ日々の糧になっていくのだと思います。

「めんどう」と頭で遮らずに、
興味や好奇心を持って「やってみる」ことが、

本当に為になることを見極める力に繋がるのではないでしょうか。

少しでも『布マスクっていいかも』とか『作ってみようかな』と、

布マスクを楽しく生活に取り入れる方の輪
広がっていくといいなと思います

(SNIクラフト倶楽部 松尾富美子)


こちらの記事もおすすめ⇒「手づくり布マスクのススメ

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【つくり方・材料】草木染めってどうやってやるの? -タマネギの皮編-

「草木染めをしてみたい、でもどうやってやるの??」
そう思っている方も多いのではないでしょうか。

今回は、初めての方でも簡単にできる、タマネギの皮を使った草木染めの方法を紹介します。

皮は茶色ですが、染めるときれいな明るい黄色になります。

すべて自宅で簡単にできますので、ぜひ試してみてください♪

(ここでご紹介する材料の種類や量、方法は一例です。いろんなやり方があるので、あなたのやりやすい方法で染めてみてくださいね)

【 材 料 】

タマネギの皮・・・
ハンカチ1枚につきタマネギ3~4個分の皮が目安です

・・・
1枚。今回はオーガニックコットン(綿)の布を縫ってハンカチにしました。
(綿、麻、絹がおすすめで。)

媒染剤(ばいせんざい)・・・
焼ミョウバン 大さじ1
(スーパーのお漬け物作り売り場などで売っています)

助剤(じょざい)・・・
豆乳:水=1:1で割ったもの。
ボールの中でハンカチが浸るくらいの量。


【 道 具 】

・・・
1個。ステンレスかホーローの鍋

ざる・・・
2個。これもステンレス素材


さいばし・・・
2膳。トングも活躍しました


ボールまたはバケツ・・・
助剤に浸す、染液をこす、媒染液に浸す等に使用


計量カップ・・・
1リットルを計れると便利


たこ糸、麻紐、輪ゴム、ビー玉など・・・
しぼりをする時に使用


ハサミ


【 事前準備 】

1.染める植物を決める

 最初にどんな植物で染めるか決めましょう。

 野菜や果物の皮、花や葉っぱなど、いろんな植物で染まります。

 もし迷ったら、こちらもご参考にどうぞ

 「意外に簡単!自宅でできる草木染めで自然の色使いを楽しもう♪」

 今回は、比較的簡単にできるタマネギの皮を使用しました。

ふだん料理した時にでる皮を溜めておけば、用意しやすいですよね。


2.ハンカチをお湯で煮る、または洗う

 染める布の汚れや油、糊を取って綺麗にします。

 中性洗剤などを使って洗濯する方法もありますが、

 今回は沸騰したお湯で30分ほど煮ました。

 煮た後は絞って干します。

裁断した布を縫って使う場合は、洗うことで布が縮むので、裁断する→煮るor洗う→縫う→助剤に浸す 
の順番が良いです


3.ハンカチを助剤(豆乳液)に浸す

乾いたハンカチを、助剤に浸して染まりやすくします。
 
 染料はタンパク質と反応して、繊維を色づけています。
 繊維が動物性(例:羊毛や絹)なのか植物性(綿や麻)なのかで異なります。
 今回使用する布は綿です。綿は植物性のため、
 人工的にタンパク質を染みこませて、染まりやすくする必要があります。
 
 なお、合成繊維のポリエステル生地などは染まりませんのでご注意です。

染まりやすくするための助剤。
手軽に用意する場合は、牛乳や豆乳などが挙げられますが、
できるだけ環境負荷が少ないよう、今回は豆乳を使用しました。

成分無調整の豆乳と水を1:1の割合で薄めます。
ハンカチがひたひたになるようにします。
何度か菜箸で動かしながら、30分浸します。

その後、手でしっかりと絞り(脱水機を使う場合は約30秒)、日当たりの良いところで乾かします。タンパク質の豆乳や牛乳は腐りやすいので、晴れた日に手早く行うことをおすすめします。

たんぱく処理後、水洗いをするとせっかく浸したタンパク質が落ちてしまいます。また干す際には、しわがあると染めムラの原因になります。しわを伸ばして乾燥させましょう。


【 当 日 】

1.タマネギの皮を煮出して染液をつくる

タマネギの皮と、ひたひたになるくらいの水を鍋に入れ、沸騰後30分煮出します。


2.ハンカチに模様をつける

その間にハンカチに模様をつけます。
たこ糸、麻紐、輪ゴム、ビー玉などで自由にしぼりを入れます。


3.タマネギの皮を取り除く

1で煮出してつくった染液をこして、タマネギの皮を取り除きます。


4.染液にハンカチを入れて煮る

染液にハンカチを入れ、20~30分ほど煮ます。

このとき、染め液が沸騰しないようにするのがポイントです。
染めムラにならないよう、さいばしで時々動かしながら煮ます。


5.媒染液を作る

その間に、媒染液を作ります。
大さじ1の焼ミョウバンを、少量の熱いお湯で溶かします。
焼ミョウバンが溶けたら、
ハンカチが浸るくらいの水(今回は約1リットル)を足します。


6.4で煮たハンカチを水洗いする

 染液で30分ほど煮たハンカチを取り出し、水洗いをします。
 絞る際に、強くねじると、その通りにムラができるので
 両手でやさしく押すようにして水気を切ります。


7.ハンカチを5の媒染液に浸す(30分)

絞ったハンカチを、5.で作った媒染液(ミョウバン液)に20~30分ほど浸けます。時々さいばしで、ユラユラさせながら浸けていると、くすんだ茶色だったハンカチが、じわじわと明るい黄色になっていきます。


8.媒染液に浸したハンカチを水洗い流す

ハンカチにつけたたこ糸や麻紐をはずして、水洗いします。
よく絞って、陰干ししたら完成です。


9.お好みでアイロンをかける

乾燥後、アイロンをかけて整えるのもおすすめです。

草木染めは天然染料ゆえ、色落ち・変色・退色は避けられません。

ですが、用途や洗い方を工夫したり、繰り返し染め重ねしたりなど、
合成染料で染めた既製品にはない楽しみ方があると思います。

そして、草木染めだから味わえる、優しくて柔らかい色あいがあります。

ぜひ、体感・体験してみてください♪


こちらもおすすめ

草木染めっておもしろい?! 合成染料と天然染料について

(SNIクラフト倶楽部)

【つくり方】つくってみよう♪亜麻(リネン)の食器洗いクロス

以前ご紹介しました「自然素材の食器タワシを作ってみた」に続き、
キッチンで活躍する食器タワシのシリーズ第2弾です♪

自然由来の素材でできているもの(自然からお裾分けしていただく)、
長く大切に使ったあとは自然(土)にかえるもの、
という視点で、毎日の食器タワシも選んでみてはいかがでしょうか。

例えば、綿、麻、へちま、シュロなど・・・。
身の回りには、天然素材でつくれる日用品がたくさんあります。

そこで、
今回は、亜麻(リネン)×和紙糸でできた食器洗いクロスをご紹介します。
生地がポコポコしていて、汚れが落ちやすく、
乾きも早いので衛生的なこのクロス。使い勝手もよくておすすめです♪

また、この亜麻(リネン)×和紙糸の食器洗いクロスを作った
SNIクラフト倶楽部のメンバーのひとり、
「手作り雑貨ふわふわ工房」さんこと、近藤弥栄子さん(山梨在住) に
お話を伺うことができました♪
素材・材料選びから、使い心地の検討について、
とっておきのエピソードを教えてくれました♪
 →探す・試す・考える 素材にこだわったクラフト


亜麻(リネン)×和紙糸の食器洗いクロス の作り方

まずは材料

① タテ糸は亜麻(リネン)、
ヨコ糸が和紙糸のワッフル生地(日本製・繊維は輸入)を用意します。

② 綿100%の縫い糸
今回はオーガニックコットン100%の糸を使用しました。


③ 麻テープ(タグ部分)


  ④ スタンプ用のインク(環境に優しいインク)


作り方

① タグ部分の麻テープにを二つ折りし、輪部分の方に好きな柄をつけます。
今回は、ハンコとスタンプ用インクでハート柄をつけました。
このとき、端部分に柄をつけても、あとで縫い付けて内側に入ってしまうので注意です。
その後、着色を安定させるためにアイロンを15秒ほどあてます。(ドライ)

一番最後は、このようにタグの端は
内側に縫い込みます。
スタンプを押すのは輪の方にどうぞ

② ワッフル生地を半分に折ります。このとき、裏表は気にせず折ります。

③ 上部分の端から2目くらいのくぼみに印をつけます。
ココを横方向へ、なみぬいで縫っていきます。
最後までいったら、返し縫いします。

④ 同様に、下部分の端から2目くらいのくぼみに印をつけ、横方向に縫っていきます。上記③参照です。

⑤ 上と下が縫えたら、ひっくり返します。
アイロンをかけます(スチーム)。

まだ縫っていない縦側の端を、内側に1センチほど折り返し、その跡をつけるようにアイロンをあてます。跡がついたら全体的にアイロンします。

⑥ 初めに①でつくったタグを、縫い付けます。縫い目が目立たないので、なみぬいでざくざく。

赤いハートのスタンプがすれちゃった(涙)

⑦ かがり縫いで口を閉じていきます。タグ部分は縫い目が目立たないよう上からなみぬいします。糸を始末したらあと一息!

⑧ 最後にアイロン(スチーム)で形をととのえます。完成♪


使う時のポイント

・吸水性がいいので、縮んで一回り小さくなります。
・使用後はしっかり絞って乾かして下さい。
・油が落ちない場合は、環境に優しい洗剤をお使いください。(泡立ちません)
・定期的に天日干しにしたり、煮沸消毒すると衛生的です。

いろんな自然素材のタワシを使い分けてみよう

食器洗いは、
「洗浄力の高い洗剤×泡立ちの良いスポンジ」が
当たり前になってきている現代。

ですが、泡立ちの良いスポンジはプラスチック製の物がほとんどで、
・限りある地下資源(石油)によって大量生産されている
・ 洗いながら、生分解しないマイクロプラスチックを川や海に流してしまう
などの問題があります。

洗浄力の高い洗剤については、
ここでは詳しく説明しませんが、化学成分を使っているため、
水質を汚染し、微生物を初めとした生物に悪影響を与え、
生態系を壊すなどの問題があります。

そのため、今回の亜麻に限らず、
綿、麻、へちま、シュロなど、いろんな自然素材のスポンジやタワシを、
目的や用途に合わせて使い分けてみてはいかがでしょう。

少しめんどくさいなと思えることも、
ちょっとした環境への思いやりによって、
地球環境を守ることに繋がりますね♪

(SNIクラフト倶楽部)