色鮮やかな椿の花染め

 3月の最終日、友人と富士山の麓までドライブしました。家から車で1時間ほどの道のりです。天気も良く最高でした。道中や行った先の公園のあちこちに、見事な椿の花が落ちていて、「そうだ、この椿で草木染めをしてみよう!」と思いつき、友人と夢中で拾い集めました。気がつくと袋がいっぱいになりました。

拾い集めた美しい色の椿の花

帰ってから早速、きれいな花びらを選んで、さらしを染めてみると、濃いピンクに染まりました。その後、ミョウバンとクエン酸の2種類の媒染液に浸けてから水洗いをして干しました。何年も着て少し黄ばんでいた白いブラウスも染めてみました。綿100%の袖は濃いピンク色に染まりましたが、アクリルが入っている身頃の部分は薄いピンクになりました。

早速、椿の花びらでさらしを染めると濃いピンク色に
椿の花びらで着古したブラウスを染めると、鮮やかになってよみがえった

 さらしは玉ねぎの皮でも染め、鮮やかな黄色になりました。さらに家に飾っていた椿やバラでも染めると、淡い紫色になりました。これらのさらしを使って手づくりしたマスクを、生長の家の先輩の皆様たちに、感謝の気持ちを込めてプレゼントしようと計画しています。

手づくりしたマスク

(津田寿美 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.136(2021年7月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.60」

※この記事は2021年に執筆したものです

手づくりの楽しさにめざめる

 私がSNIクラフト倶楽部に入ったきっかけは、縫い物上手な生長の家の友人が入部していて、「私も入ろう!」と思ったからでした。しかし、入部したものの作品のアイデアはなく、そもそも手づくりは得意ではありませんでした。それでもクラフト倶楽部のフェイスブックグループに何か投稿したいと思い、前の年に手縫いで作ったスカートを投稿しました。

軽くて涼しく、はき心地は最高。幅を出すために縫い付けたワンピースの端切れが、アクセントになっている

 このスカートは母からもらった阿波しじらの浴衣をリメイクしたもので、はきやすく、しかも夏は涼しくて最高です。投稿には思いがけずたくさんの「いいね!」とコメントをいただきました。その後、新型コロナウイルスの感染が広がりマスク不足になった際に、マスクの手づくりを始めました。ネットで作り方を覚え、近所の皆さんに配ると、とても喜ばれました。

阿波しじらの浴衣をリメイクし、手縫いで作ったスカート
手づくりマスク

 以前の私は、何でもポイポイ捨て、“作るより買う”という性格でした。でも今は、集中して作っている時にアイデアが溢れてくる感覚が好きです! 苦手な私でもできました。みなさんも、手づくりを始めてみませんか?

(津田寿美 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.135(2021年6月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.59」

※この記事は2021年に執筆したものです

心をこめて繕うことで幸せになる

 私は物を捨てられない性分で、壊れてもなんとか使えないかと考えます。中学1年の時、上履きの擦り切れた所を、糸で繕ったのが最初でした。壊れたり破れたりしたものを、もう一度使えるように考えるのはとても楽しいものです。
 写真の青いスポーツウオッチは3年前に息子から贈られ、普段から愛用していましたが、バンドが切れてしまいました。切れた部分をきれいにカットして糸で繕ってつなぎ、接着剤で固定して同色のリボンを巻いてカバーしました。

バンドを縫ってつないだ。切り詰めて長さもぴったりに
接着剤で固定し、同じ色のリボンを巻いて完成

 白いハンドバッグは、気づいた時には内側部分が劣化してボロボロになっていました。でも外側や持ち手はまだ使えるので、思い切ってファスナーなども全て外して、作り変えることにしました。どのように直そうかわくわくしながら考え、裏地に水玉柄の紺色の生地を選び、ポケットも作りました。袋状に縫った裏地やファスナーは本体に手縫いして縫い付け、縫えない所は接着剤で貼り付けました。
 生まれ変わった時計やバッグは喜んでいるようで、私も幸せな気持ちに満たされました。

内側部分とファスナーを取り外した
接着芯を貼り袋状に縫った裏地
裏地と外ポケットを付けて完成

(大西淳子 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.130(2021年1月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.54」

※この記事は2021年に執筆したものです

羊からのおすそ分け。羊毛フェルトで作品作り

 ここ数年、肌寒くなってくると部屋の奥から引っ張り出してくるものがある。モコモコな羊からのおすそ分け。羊毛フェルトだ。


 ニードルという細かいギザギザの切れ込みが入った専用の針でサクサク刺していくと、フェルトの繊維が絡まって、固まっていく。バランスを見ながら好みの形になるまで、ひたすら刺していくのだ。割と単調な作業なので、コツをつかめば、おしゃべりしながらでもできる。もっと大掛かりのものを作る場合は、石けん水で濡らし、こすって形成していく手法もある。


 なかなか根気のいる作業だが、みるみるうちにふわふわだった毛が形になっていくのはワクワクする。それに、羊毛フェルトは自然素材とも相性バツグン。枝や木の実などと組み合わせると、なんとも言えない温かみが作品に加わり、おもわず笑みがこぼれる。


 今冬はバッグを作ろう。触れるとポカポカが伝わってきて「羊さんありがとう!」という思いになる。毎年少しずつ増えていくあったかアイテムたち。寒い季節限定のわたしの楽しみだ。

今冬作ったバッグ。石けん水で濡らし、こすって形にしていくウェットフェルト手法で製作。白クマも羊毛フェルトで手作り
ニードルを使った作業風景
クルミの殻と羊毛フェルトで作ったオーナメント。ピンクッションとしても使える

Sさんの長女が、6歳の時に作った羊毛フェルトの小物入れ


(S・S / SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.107(2019年2月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.31 」

手作りする楽しさに目覚める

 東京に住み、長男と長女を育てていた頃は、家事と子育てだけでいっぱいいっぱいで、何かを手作りする余裕などはないと思っていました。そんな私でしたが、夫が勤める生長の家国際本部が山梨県北杜市の八ヶ岳南麓に移転し、私たち家族も引っ越したことをきっかけに、考え方が大きく変わりました。


 こちらでは、小物やお菓子、野菜、味噌にいたるまで楽しみながら手作りする人たちが沢山いて、今まで買うのが当たり前と思っていたものが、私にも作れるかもしれないと考えるようになり、フェルトでおもちゃを作りはじめました。

近藤弥栄子さんがフェルトを使って手作りしたおもちゃの数々


 クリスマスの飾りや、おままごとのセットなどをチクチクと縫う毎日。クリップを縫い込んだ魚を、磁石で釣り上げるおもちゃは子どもたちに大人気で、子どもの喜ぶ顔が嬉しくて、1匹、また1匹と魚が増えていきました。
 今では、子どもは4人になり、以前よりもまとまった時間は取れませんが、スキマ時間を使うことで、豊かな手作りライフを楽しんでいます。


(近藤弥栄子・SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.99(2018年6月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.23」

※この記事は2018年に執筆したものです

ネクタイで作ったポーチと携帯ケース

自分の手で作ってみよう

厚紙にカラフルな紙を貼って、ペットボトルのキャップと使用済み切手入れに
お菓子の空き箱は可愛い小物入れに
ネクタイで作ったポーチと携帯ケース
ネクタイで作ったポーチと携帯ケース

 手作りを始める前は、何でもお店で買うことを先に考えていました。今では、自分で作ることをまず考えます。たとえば、物を入れる箱も、丁度良い大きさのものがなければ、厚紙を欲しい形や大きさに切り貼りして、好きな柄の紙を貼って作ります。職場でも、ペットボトルのキャップや使用済み切手、楊枝や砂糖等を入れる箱も手作りした物を使っています。


 また、お菓子等の空き箱も、処分する前に、ちょっと手を加えて、可愛らしい小物入れに作り替えたり、不要になったネクタイも捨てずにほどいて、ポーチや携帯ケースにリメイクしたりしています。何でも処分する前に工夫すると、資源を大切に使えますし、ゴミも減ります。


 手作りは手間がかかるものです。しかしその分、自分の手で作れば愛着が湧いて大切に使い続けられます。今の時代、何でも買えばすぐに手に入りますが、自分で作り出した物にこそ尊い価値があると思うのです。

(西村典子・SNIクラフト倶楽部)


      

『白鳩』誌No.92(2017年11月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.16」

世界にたった一つのものを作る

 子どもの頃から手芸が好きで、今までに編み物、刺繍、羊毛フエルト、ペーパークラフト、グラスリッツェン(ガラスに彫刻する工芸)等、色々な物作りに挑戦しました。
 初めて作ったのは手縫いでの巾着。1枚の布から誰でも簡単に袋が作れて、少々ゆがんでいても、「自分で作った!」という喜びでいっぱいでした。今ではミシンを使って、ポーチやケース等の布小物を、心を込めて作っています。


 私は、悩み事があったり、気分の優れない時は、作品作り用の布を眺めるようにしています。柄などを合わせていると、「今度は何を作ろうか」と、ワクワクして想像力が膨らみます。すると、いつの間にか元気になっているのです。物作りは、精神的にも、肉体的にも、とても素晴らしい事だと思います。また、「物を大切にする」気持ちにもなりました。
 手作りの魅力ーそれは、大量生産とは違い、自分を表現して、世界にたった一つだけのオリジナルな作品を、無限に作れることだと思います。

(西村典子・SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.90(2017年9月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.14」

いつやる?

 “森の中のオフィス”の家具の多くは、東京・原宿の事務所から移転と共に持って来たもの。大切に使っているつもりだけれど、長く使っていると壊れてしまうこともある。


 私の勤務する部署にも、座面のカバーが破れて、中のスポンジが露出してしまった椅子がひとつあった。備えられている椅子の数は室員よりひとつ多いので、全員座るには問題無い。「あとで時間があるときに直そう」そう思って、部屋の隅に半年以上放置した頃、私の部署に、新たに人が増えることになった。


 椅子が足りない!!(足りてるけど、使えない!!)


 慌てて、もう一人の女性職員と、端布や強度のある太い糸を用意して、ちくちく縫い始めた。スポンジが出て来ないよう、裏面でしっかりと縫い止める。始めてしまえば、1時間もかからずに直すことができた。思い立った時に行動に移してしまえば良かったのだ。端布なので、色が全然違うのが少し気になるけれど(笑)。

(H.M・SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.85(2017年4月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.10」

再び習う

 

 編み物は子どもの頃からどうにも苦手だった。理由は簡単。私が左利き、教えてくれる母が右利きだからだ。母がやって見せてくれるものを反転するが、要所で混乱して目数が合わなくなったり縁がヨレヨレになったりする。出来上がりは可愛くない。意欲が湧かず、次を作らないので上手にならない。この繰り返しだった。


 「右で編めばいいじゃない」と母は簡単に言うけれど、では母が左で編んでみたらいい。初心者が利き手ではない手で編むよりも簡単なはずだ。そう思うが、右利きから見れば、直すべきは少数派の左利きの私なのだ。世知辛い。


 そうやって子どもの頃に諦めた編み物だが、最近は実家に帰省する度、また母に習っている。目数が合わなくなっても、気長に直せるように私が成長したことと、教えてくれる人がいる有り難さを感じるから。そうやって出来上がったのがこのスヌード。おそろいの手袋は、私にはまだ難しいので、母にお任せ☆


(H.M・SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.84(2017年3月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.9」

「ボタニカル」って?

 2016年10月に“森の中のオフィス”で開かれた「自然の恵みフェスタ2016」で、何を出品しようか悩んでいた頃、「ボタニカル」という言葉が耳に入ってきた。少し前から流行っているらしいそれは、雑誌などで見ると、私好みの雰囲気。流行りは苦手だけれど、素敵と思うものには抗えず、英語が不自由な私は、意味を調べてみた。


 ボタニカル(botanical)とは、「植物の」「植物から作られた」 という意味。
 

 流行り物は自分に不要と決めつけて、意味もわからず拒否するところだった。何を隠そう、小学生の頃の唯一の習い事が「生け花」だった私。植物は大好きなのだ。その季節ならではのお花を生けることが楽しかったことを思い出し、植物を使った飾りを作りたくなって、私なりの「ボタニカル」に挑戦することにした。

 蜜蝋と植物由来の素材を使って、ワックスサシェ(芳香剤)作り。道端で見つけた葉っぱも入れて。いつもの道路も、素材を探すと宝探しの気分。流行りもたまには悪くない。


(H.M・SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.83(2017年2月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.8」