天然の竹皮で、弁当かごを編む

 脱プラを意識しだしてから、急に竹の皮が気になりはじめました。竹皮は、竹の子の時期の皮ではなく、若竹がぐんと伸びる時期に、脱ぎ捨てられている皮を使います。
 知り合いが所有する山で、竹皮を採らせてもらえることになりました。青々とした若竹に、ちまきなどを包む、あの見慣れた竹皮が貼り付いているのを見た時は興奮しました。採取した竹皮は、よく洗って、汚れを拭き、まっすぐに伸びるように重しを載せて、乾燥させます。しっかりと乾かすのがポイントです。

若竹から竹の皮を採取した
採取した竹の皮は水洗いした後、1枚1枚うぶ毛を拭き取り、その後、重しをして伸ばして干す

 下処理した竹皮でお弁当かごを編みました。初めて作ったので、頭に完成のイメージはあってもなかなか形にならず、何度か諦めかけました。クラフト編みの本を読んだりしながら、別の日に気を取り直して再チャレンジし、やっと形になりました。難しかったです。
 ケモノのようでちょっと怖い竹皮の模様が、こんなに美しいとは思いませんでした。抗菌作用もあり、編んでいてもしなやかで、強く引っ張っても破れません。先人の知恵に脱帽です。

何日も干して乾燥させ、帯状に切った竹皮を編んでいく
津島さんが天然の竹皮を編んで作った弁当かご。軽く丈夫で、手づくりの温もりも感じられる

(津島昌子 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.122(2020年5月号)「つくる、祈る、日々の生活 No46」

※この記事は2020年に執筆したものです