子どもが喜ぶ手作りエプロン

 小学校や保育園では、食育の一環としてクッキングの時間があります。長女が年長の時も何度かあり、ちょうど通園バッグやティッシュケースなどをミシンで作っていたので、ステップアップとしてエプロン作りに挑戦しました。


 子どもが簡単に着られるように、首ひもと腰ひもは結ぶタイプではなく、ゴムを通したデザインに決めて、布を裁断し、ミシンで縫い始めました。首ひもと本体の布がだんだんズレてしまったり、カーブの縫い目が歪んだりもしましたが、長女の喜ぶ顔を思い浮かべながらの挑戦は、とても楽しい時間でした。

ゴムを通した首ひも


 何とか出来上がったエプロンで参加した親子食育教室では、長女の満面の笑顔が見られて本当にうれしかったです。その後、長男と次女、次男の分も作りました。エプロンをつけて、いっぱいお手伝いをしてくれたら嬉しいな。

(近藤弥栄子・SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.101(2018年8月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.25」

※この記事は2018年に執筆したものです

思い出のイラストを、手作りのフレームに飾る

 次女が赤ちゃんだった頃、児童館のイベントで野菜をモチーフにしたイラストを描きました。そのイラストに「野菜の国の女の子」と名前をつけて棚に飾っていましたが、大事にしすぎて棚の奥の方へいってしまい……。2年後、大掃除の最中にそのイラストが出てきました。


 「懐かしい! フレームに入れて飾ろう」と思いましたが、すぐに買いに行けなかったので、家にある材料で作ることにしました。インターネットで検索し、厚紙とフェルトを使ったフォトフレームの作り方を見つけました。イラストよりも大きめの厚紙2枚に、フェルトをボンドで貼り付けるという方法で、窓の部分をきれいにカットするのがちょっと難しかったですが、フェルトで見えなくなるので問題ありません。プレゼント用ではなく、自宅用だと思うと気持ちも楽でした。リボンで飾り、最後に紐をつけて完成。


 フレームを手作りできたことが嬉しくて、見える場所に飾って毎日眺めています。


(近藤弥栄子・SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.100(2018年7月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.24」

※この記事は2018年に執筆したものです

手作りする楽しさに目覚める

 東京に住み、長男と長女を育てていた頃は、家事と子育てだけでいっぱいいっぱいで、何かを手作りする余裕などはないと思っていました。そんな私でしたが、夫が勤める生長の家国際本部が山梨県北杜市の八ヶ岳南麓に移転し、私たち家族も引っ越したことをきっかけに、考え方が大きく変わりました。


 こちらでは、小物やお菓子、野菜、味噌にいたるまで楽しみながら手作りする人たちが沢山いて、今まで買うのが当たり前と思っていたものが、私にも作れるかもしれないと考えるようになり、フェルトでおもちゃを作りはじめました。

近藤弥栄子さんがフェルトを使って手作りしたおもちゃの数々


 クリスマスの飾りや、おままごとのセットなどをチクチクと縫う毎日。クリップを縫い込んだ魚を、磁石で釣り上げるおもちゃは子どもたちに大人気で、子どもの喜ぶ顔が嬉しくて、1匹、また1匹と魚が増えていきました。
 今では、子どもは4人になり、以前よりもまとまった時間は取れませんが、スキマ時間を使うことで、豊かな手作りライフを楽しんでいます。


(近藤弥栄子・SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.99(2018年6月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.23」

※この記事は2018年に執筆したものです

子どもの「マイクロプラスチック」問題への興味に向き合うヒント


1.子どもにマイクロプラスチック問題をどう伝えるか

娘と近所の図書館へでかけたある日。
好きな絵本を借りて、受付で手続きをしていると、
娘はエコ関連の本を並べた特設コーナーから、
ゴミとリサイクルに関する本を持ってきました。

ペラペラとめくって、結局は借りずに自ら本棚にしまいましたが、
興味を持ち始めているのかな?と感じました。

その後も、コンビニ前や道端にゴミが落ちてると
「ねえ!ゴミ落ちてるよ!!」とみつけては教えてくるのでした。

しかしかばんの中にはゴミ袋や手袋、トングを入れていないので、
「次またゴミ袋持ってるとき拾おうね」
と言いながらモヤモヤ。

別の日も「ねえ!ゴミ落ちてる!!」「お母さん、落ちているのになぜ拾わないの」が数度も続きました。

その度にゴミ袋を持ってない(いや、持ってないことを理由に拾おうとしない)自分にモヤモヤしていました。

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2.ゴミ拾いがきっかけで始まった、娘の興味

これより遡ること1ヶ月前。
もともとのきっかけは、娘とお友達親子とごみ拾いをしながら、散歩したときの事。

「道にゴミが落ちてるとね、それが風や川に流されて海に行って、ゴミが小さく削れて、
お魚が食べちゃってお魚しんじゃうんだよ」そう話かけながら、ゴミ拾いをしました。

その後、保育園の駐車場や道端にゴミが落ちてると
「ねえ!ゴミ落ちてるよ!!」とみつけては教えてくる娘。

ある日、自宅の本棚から『クジラのおなかからプラスチック』の本を取り出し、
なにやらペラペラ眺めていました。
海中に捨てられた網に絡まった亀や、ビニール袋に絡まった海鳥の写真をみて、
「かわいそう」と漏らしていました。

※書籍に実際に掲載されている写真とは異なります

5歳ながら、いろんな点と点が繋がって、どういうことか理解しようとしてるのか、
どこまでか分からないけど、娘の興味に向き合ってみようと思い、
以下の3つのことをやってみることにしました。

①一緒に外でごみ拾いをしてみる
②絵本を一緒に見る
③自宅で「ごみを減らす」「プラスチック使用を減らす」

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3.マイクロプラスチックとはなにか

5歳の娘にマイクロプラスチックといっても分からないかもしれないので、
「風や川に流されたゴミが小さくなって、海に出て・・・」と教えました。

そもそもマイクロプラスチックとはなにか。
「マイクロ」とは1000分の1ミリ、0.001ミリのことを指しますが、「マイクロプラスチック」の場合は、大きさが5ミリ以下のプラスチックのことを指します。

マイクロプラスチックには大きく2種類あり、


1つは製造される時点で既に5ミリ以下の小さいプラスチックです。

例えば、日本では2016年から化粧品メーカーによる自主規制が進んでいますが、スクラブという小さな粒々や歯磨き粉に使われている研磨剤のマイクロビーズのことをいい、元々小さなプラスチックとして製造されたものなので、「一次マイクロプラスチック」と呼ばれています。

2つめは、プラスチック製品が自然環境中で劣化し、粉々になったプラスチックです。

道端に墜ちているプラスチックゴミなどが紫外線で劣化したり、風で飛ばされて海や川に流れ着き、波や紫外線で劣化することでボロボロと崩れます。しかし池中や海中では長期間分解されずに残るため、これが「二次マイクロプラスチック」と呼ばれています。

これが今、プラスチックごみの中でも特に大きな問題になっているといいます。

また5ミリ以下のマイクロプラスチック以外にも、
海を漂うごみの問題「海洋プラスチックごみ問題」は深刻です。

エレン・マッカーサー財団(Ellen MacArthur Foundation )が世界経済フォーラムの支援を受け、2016年と2017年のレポートで発表した報告によると、2050年には海に漂うプラスチックごみの重量が、世界中の海の魚の総量を超えると予測しています。


漂うプラスチックごみを、餌と間違えて誤飲する生物、ビニール袋や漁業網が体に巻き付き、自分では取ることができずにいる生物、彼らはやがて、死に至ります。

さらに、最近では「ナノプラスチック」という問題も明らかになってきています。「ナノ」とは「マイクロ」の1000分の1ミリなので、更に小さなプラスチックを指し、これが体内に取り込まれると臓器に蓄積されるなどの影響があると、問題視されはじめています。

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4.なにができる?

これらをきっかけに、ゴミ袋と軍手をセットにして、鞄に入れて持ち歩くようになりました。


母がずっと「そうだね~、また今度ね~」とか「お店の人が拾うから、拾わなくて大丈夫だよ」という態度を続けることで、娘がそれで良いと思ってしまわないように、一緒に拾い、一緒に成長しようとしたいと思いました。

ただマイクロプラスチックのごみ問題は、今日明日で解決することではありません。
日常の中の小さな行動から考えることが大切だと思うのです。

だからこそ、ごみが海にたどり着かないようできることを娘に伝えたいと思いました。
といっても、頭でっかちにならず、肩の力を抜きながら、楽しく。

「ビニールぶくろをたくさんつかわない。
 ビニールぶくろのかわりに、べつのふくろをつかいます」

「なんどもたいせつにつかおう」

「うみやかわのおさかなさんをまもるために、いえのなかのゴミをへらしていこう」

理解するのに何年経ってもよいので、
一緒に楽しみながら声をかけてみよう、そう思う今日この頃です。

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(SNIクラフト倶楽部 松尾純子)


参考:

『クジラのおなかからプラスチック』 保坂直紀・著 出版社: 旬報社

『海洋プラスチックごみ問題の真実 マイクロプラスチックの実態と未来予測』著者/編集:磯辺篤彦、出版社:化学同人

エレン・マッカーサー財団「Publications The New Plastics Economy」

 環境省HP「第3章 プラスチックを取り巻く状況と資源循環体制の構築に向けて」)