ブローチ作りで味わう、自然のデザイン

 昨年秋の職場の「自然の恵みフェスタ」には、ちょっと頑張って、6点の木製ブローチを出品しました。材料はDIYで使った板の残りの、そのまた残りの端材です。


 モチーフは、「猫」「森の中のカフェ」「タマゴタケ大人」「タマゴタケ子ども」「ヒトツバカエデの葉っぱ」「翡翠ナス」です。どれも、ここ山梨県北杜市の職場や住まいの周りで撮ったお気に入りの写真からスケッチを起こし、切り出しナイフで少しずつ形を削り出して、彩色しました。彩色には、「マッチカラー」という有害化学物質不使用の水彩絵の具を用いました。


 フェスタ当日は、30分あまりで完売し、すごく嬉しかったです! 身の周りのお気に入りの風景や動植物をモチーフにして造形していると、自然のデザインと色の巧みさ、面白さが、手を動かしながら実感できます。

(田中晴夫・SNIクラフト倶楽部)

白鳩』誌No.95(2018年2月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.19」

※この記事は2017年に執筆したものです

素材探しから得られること

 私達、クラフト倶楽部のメンバーは、より自然度の高い素材を選んで、手づくりをしています。この素材を選ぶことには、ある程度の苦労が伴いますが、それと共に大きな喜びもあります。

  まず、クラフト倶楽部の活動として、より良い素材選びを簡単に表現すると

「より自然なもの、近くで出来たもの、使うことで枯渇しないもの」

といえると思います。

 すぐに思いつくのは、自然から直接分けてもらう小枝や木の実、貝殻などだと思います。森や海岸はクラフト素材の宝庫ですね。

 その一方、購入する場合は、なかなか難しく、多くの商品が並んでいても、石油由来の製品や海外で作られ輸入されているものが多いことをあらためて実感させられます。


  そのような中でも、あきらめずに探せば、パズルのピースがぴったりはまるような素晴らしい素材に出会えることがあります。そして、その“つくり手”の方々の多くは、地道だけれども、とても丁寧なお仕事をされています。


 これまで出会った“つくり手”には、山林育成のため地元木材を取り扱う製材所( * 1)、羊毛の加工と自然染色を自ら行うお店( * 2)、有機栽培された綿の織物業者( * 3)、環境にやさしい素材のみで絵の具を製造する工場( * 4)、日本ミツバチの育成をされている養蜂所( * 5)など、本当に素晴らしい方々がいらっしゃいました。

 クラフトを通してこのような方々とつながりができ、私たちの活動にも共感や賞賛の声をいただいています。

 さらに、“つくり手”の顔を知ることで、素材を大切に使う意識がわいてきます。尋ねれば、経験からのアドバイスをもらえ、作品の背景として参加者にも伝えることができますし、購入することで“つくり手”を応援することにもなります。

このように、「簡単に購入しよう」と考えていると難しく感じる素材探しですが、私達が意識を広げて求めていけば、きっとそこには、素晴らしい出会いや学びが待っていて、私達の活動が拡がっていくきっかけにもなっていくと考えています。


(SNIクラフト倶楽部 部長 吉田憲司)


*1 「樋口製材」https://higuchi-seizai.com/
*2 「アナンダ」https://www.ananda.jp/index.htm
*3 「ミュッター」http://www.mothers-mutter.com/html/newpage.html?code=32
*4 「株式会社まっち」https://match-japan.com/JP/index.html
*5 「あじわい百花蜜」http://www13.plala.or.jp/ajiwaihyakkamitu/index.html