子どもの「マイクロプラスチック」問題への興味に向き合うヒント

LINEで送る
Pocket
[`evernote` not found]


1.子どもにマイクロプラスチック問題をどう伝えるか

娘と近所の図書館へでかけたある日。
好きな絵本を借りて、受付で手続きをしていると、
娘はエコ関連の本を並べた特設コーナーから、
ゴミとリサイクルに関する本を持ってきました。

ペラペラとめくって、結局は借りずに自ら本棚にしまいましたが、
興味を持ち始めているのかな?と感じました。

その後も、コンビニ前や道端にゴミが落ちてると
「ねえ!ゴミ落ちてるよ!!」とみつけては教えてくるのでした。

しかしかばんの中にはゴミ袋や手袋、トングを入れていないので、
「次またゴミ袋持ってるとき拾おうね」
と言いながらモヤモヤ。

別の日も「ねえ!ゴミ落ちてる!!」「お母さん、落ちているのになぜ拾わないの」が数度も続きました。

その度にゴミ袋を持ってない(いや、持ってないことを理由に拾おうとしない)自分にモヤモヤしていました。

                                          ▲TOPへもどる


2.ゴミ拾いがきっかけで始まった、娘の興味

これより遡ること1ヶ月前。
もともとのきっかけは、娘とお友達親子とごみ拾いをしながら、散歩したときの事。

「道にゴミが落ちてるとね、それが風や川に流されて海に行って、ゴミが小さく削れて、
お魚が食べちゃってお魚しんじゃうんだよ」そう話かけながら、ゴミ拾いをしました。

その後、保育園の駐車場や道端にゴミが落ちてると
「ねえ!ゴミ落ちてるよ!!」とみつけては教えてくる娘。

ある日、自宅の本棚から『クジラのおなかからプラスチック』の本を取り出し、
なにやらペラペラ眺めていました。
海中に捨てられた網に絡まった亀や、ビニール袋に絡まった海鳥の写真をみて、
「かわいそう」と漏らしていました。

※書籍に実際に掲載されている写真とは異なります

5歳ながら、いろんな点と点が繋がって、どういうことか理解しようとしてるのか、
どこまでか分からないけど、娘の興味に向き合ってみようと思い、
以下の3つのことをやってみることにしました。

①一緒に外でごみ拾いをしてみる
②絵本を一緒に見る
③自宅で「ごみを減らす」「プラスチック使用を減らす」

▲TOPへもどる


3.マイクロプラスチックとはなにか

5歳の娘にマイクロプラスチックといっても分からないかもしれないので、
「風や川に流されたゴミが小さくなって、海に出て・・・」と教えました。

そもそもマイクロプラスチックとはなにか。
「マイクロ」とは1000分の1ミリ、0.001ミリのことを指しますが、「マイクロプラスチック」の場合は、大きさが5ミリ以下のプラスチックのことを指します。

マイクロプラスチックには大きく2種類あり、


1つは製造される時点で既に5ミリ以下の小さいプラスチックです。

例えば、日本では2016年から化粧品メーカーによる自主規制が進んでいますが、スクラブという小さな粒々や歯磨き粉に使われている研磨剤のマイクロビーズのことをいい、元々小さなプラスチックとして製造されたものなので、「一次マイクロプラスチック」と呼ばれています。

2つめは、プラスチック製品が自然環境中で劣化し、粉々になったプラスチックです。

道端に墜ちているプラスチックゴミなどが紫外線で劣化したり、風で飛ばされて海や川に流れ着き、波や紫外線で劣化することでボロボロと崩れます。しかし池中や海中では長期間分解されずに残るため、これが「二次マイクロプラスチック」と呼ばれています。

これが今、プラスチックごみの中でも特に大きな問題になっているといいます。

また5ミリ以下のマイクロプラスチック以外にも、
海を漂うごみの問題「海洋プラスチックごみ問題」は深刻です。

エレン・マッカーサー財団(Ellen MacArthur Foundation )が世界経済フォーラムの支援を受け、2016年と2017年のレポートで発表した報告によると、2050年には海に漂うプラスチックごみの重量が、世界中の海の魚の総量を超えると予測しています。


漂うプラスチックごみを、餌と間違えて誤飲する生物、ビニール袋や漁業網が体に巻き付き、自分では取ることができずにいる生物、彼らはやがて、死に至ります。

さらに、最近では「ナノプラスチック」という問題も明らかになってきています。「ナノ」とは「マイクロ」の1000分の1ミリなので、更に小さなプラスチックを指し、これが体内に取り込まれると臓器に蓄積されるなどの影響があると、問題視されはじめています。

▲TOPへもどる


4.なにができる?

これらをきっかけに、ゴミ袋と軍手をセットにして、鞄に入れて持ち歩くようになりました。


母がずっと「そうだね~、また今度ね~」とか「お店の人が拾うから、拾わなくて大丈夫だよ」という態度を続けることで、娘がそれで良いと思ってしまわないように、一緒に拾い、一緒に成長しようとしたいと思いました。

ただマイクロプラスチックのごみ問題は、今日明日で解決することではありません。
日常の中の小さな行動から考えることが大切だと思うのです。

だからこそ、ごみが海にたどり着かないようできることを娘に伝えたいと思いました。
といっても、頭でっかちにならず、肩の力を抜きながら、楽しく。

「ビニールぶくろをたくさんつかわない。
 ビニールぶくろのかわりに、べつのふくろをつかいます」

「なんどもたいせつにつかおう」

「うみやかわのおさかなさんをまもるために、いえのなかのゴミをへらしていこう」

理解するのに何年経ってもよいので、
一緒に楽しみながら声をかけてみよう、そう思う今日この頃です。

▲TOPへもどる

(SNIクラフト倶楽部 松尾純子)


参考:

『クジラのおなかからプラスチック』 保坂直紀・著 出版社: 旬報社

『海洋プラスチックごみ問題の真実 マイクロプラスチックの実態と未来予測』著者/編集:磯辺篤彦、出版社:化学同人

エレン・マッカーサー財団「Publications The New Plastics Economy」

 環境省HP「第3章 プラスチックを取り巻く状況と資源循環体制の構築に向けて」)

LINEで送る
Pocket
[`evernote` not found]