物作りで得られる心豊かなひととき

 この春、晴れて高校生になった姪へ、入学祝い金を包むためののし袋を作った。のし袋を作るには時間がかかる。「お金を払って物と時間を買う」か、それとも「時間をかけて手作りする」か迷うところだ。今回は、お祝いを渡すまでに時間があったので、手作りすることにした。時間がない時は購入することもある。でも、なるべく家にある物で作るように心がけている。


 忙しい毎日を過ごしていると、物作りに時間をあてるのが難しいこともある。こののし袋が完成するまでには、2週間近くかかった。まとまった時間が取れない日が続き、空いている時間に少しずつ作っていったからだ。

Kさんお手製ののし袋。立体的な花は、花の形に画用紙を切り、丸箸などを使って花びらを外側にカーブさせて作る


 私はよくぽち袋を作る。だが、安くて可愛いぽち袋はいくらでも売られている。でも私は作る。素材を選べて、作る楽しみも味わえるからだ。好きな香りを楽しみ、心地よい音楽を聴き、深く呼吸をし、心穏やかに物作りをする。これが私の癒やしの時間なのだから。


(N・K SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.98(2018年5月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.22」

※この記事は2018年に執筆したものです