つくる、祈る、日々の生活 No.5

環境負荷の少ない、地元産の木材を使ったモノづくり

私は、材木や端材などを使って、日常生活に役立つモノを手作りして楽しんでいます。
今回ご紹介するのは、ウッドデッキ用の階段。自然素材である木材を使うことで“環境にやさしい素材”を使うという目標はクリアできますが、もう一歩踏み込んで、同じ材木でも輸送のための燃料消費が少ない材木を選びました。

ホームセンターには安価で加工しやすい材木が並んでいます。しかし、そのほとんどは北米や北欧などから船で運ばれてきたもので、それだけ輸送のために化石燃料を使い、二酸化炭素を排出して、環境に負荷を与えているのです。
そこで、私は自宅からほど近い製材所を訪ね、国産か県産の材木で階段を作りたい旨を説明。すると、地元・八ヶ岳で伐採したカラマツ材を提案してくれました。イメージ通りに階段が出来上がっただけでなく、地元産の木材を使うことで地域の活性化につながり、温暖化対策の一助となったことも喜びになりました。
(永井 暁・SNIクラフト倶楽部)

白鳩誌No.80 2016年11月号より

木の端材から新たなモノをつくり出すよろこび

子どもの頃、自宅の物置には要らなくなった木の端材が保管されていました。
日曜大工と奉仕活動が大好きな父は、歩道の側溝のフタが腐って、歩行者がはまらないように、半年に1回、端材を利用して新しいフタにつくり替えていました。そんな父親の姿を真似て、私も一緒にフタづくりを手伝ったり、自分で整理箱や本棚などもつくりました。下手でも自分でつくったモノには愛着が湧き、いつまでも大切に使いました。

ここで紹介するのは、最近つくった木箱。長さが不揃いの端材を段違いにつぎはぎにすると、既製品にはない面白いデザインになりました。私は「木工は、隙間があっても、ゆがんでいてもいい」と思っています。廃棄処分される予定だった端材を最大限に生かして、新たなモノをつくり出すことができたよろこびの方が大きいからです。モノに宿る“いのち”に触れたような感じです。
(永井 暁・SNIクラフト倶楽部)

白鳩誌No.79 2016年10月号より

ガーランド

ナチュラルな生地を使ってかっこいいものを作る

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気ままに裁縫を楽しんでいた私が、職場のイベントがきっかけで、
「材料が環境に配慮したものであるか」を考えるようになった。

すると普段の買い物をする目も変わっていく。
安さだけを求めず、より自然に溶け込むものを。

誰も不幸にしないものを作りたい。
それが最高におしゃれでカッコよければ、少しだけ世界が変えられるかもしれない。
そんなことも思い描きながら、夢は広がる。

話は変わって、私は普段、雑貨屋を巡るのが大好き。
こだわりの雑貨やディスプレイなどは、心がときめいて、ワクワクして、いくら見ても飽きない。
同時に創作意欲をかき立てられる。「次はこんなのを作ろうかな」

そうそう、全てはここから始まると思う。
大切なのは「作るって楽しい! なんかワクワクする!」という気持ち。
好きな音楽を聴くように、綺麗な景色を写真に収めるように、素敵な何かを作ってみませんか?

(岡田香利・SNIクラフト倶楽部)


手縫いでOK!ハギレでふりふりガーランド

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窓枠や壁を華やかにしてくれるガーランド。ハギレで簡単に作れます

◇作り方◇

①ハギレを3×11㎝に切ります。リボンなどの好きなひもを使います。今回は麻ひもを使用
①ハギレを3×11㎝に切ります。リボンなどの好きなひもを使います。今回は麻ひもを使用

 

②布を半分に折り間にひもを通しその下を縫います。好きな長さになるまで続けます。その後、裾をはさみで好きな形にカットして完成!
②布を半分に折り間にひもを通しその下を縫います。好きな長さになるまで続けます。その後、裾をはさみで好きな形にカットして完成!

 

 

 

 

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白鳩誌No.78 2016年9月号より

「何で出来ている?」から、世界へ目を向ける

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裁縫など、何かと作ることが好き。

上手くできなくても、楽しい。ある時、職場のイベントで作品を販売する機会があった。

出品の基準は「自然素材」「環境に配慮したもの」など。

う〜ん。考え込んでしまった。何を作ればいいの?

しばらく考えて出した私なりの結論は、
「綿や麻を使う。石油が原料のポリエステルは使わない。
安易に100均で素材を買わない」。
不十分だけど、とりあえずそんなところからスタート。

綿や麻100%の生地を探して購入したが、そもそもこういう生地も、手作り品も苦手なのだ。

洗練されてないし、なんだか野暮ったいから。だからナチュラルな生地だけどかっこいいものを作る。
自分がときめくものを。(写真のバッグ)

そういえば、今まで材料のことなんか考えたことなかったな。
「これって、何で、どうやって出来てるの?」と投げかけてみると、原産地である世界の国や地球のいろんなことに目を向けるようになっていった。

(岡田香利・SNIクラフト倶楽部)

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白鳩誌No.77 2016年8月号より

作ること。祈り、信仰…

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3月のある日、妹からのLINEで、2歳の姪っ子の動画が送られてきた。

一所懸命料理を手伝う姿にきゅーん……。

そんな姪っ子に手作りのエプロンをプレゼントしようと決意。

姪っ子のかわいい笑顔を思い出しながら、生地を選んでパターンをひき、そして縫う。

簡単な作りだけど、きっとすぐに大きくなるから……。

季節は春。
でも、まだ寒いので薪ストーブを焚き、時々外の雪を眺めながら、姪っ子を思い、縫う時間。

幸せに、元気いっぱいに育ってほしい——これが祈りでなくてなんだろう。

何もしなければただ過ぎていく1日が、姪っ子の健やかな成長を願う特別な1日として心に刻まれた。

暮らしをていねいに一つずつ。

こういうことが、今の時代に必要とされているのかもしれない。

(岡田香利・SNIクラフト倶楽部)

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白鳩誌No.76 2016年7月号より