流木__海からのいただきもの

 海が近いのでよく遊びに行く。砂浜では色々なものを発見し、まるで宝探しのように夢中になる。その中でもお気に入りは流木だ。
 波に何度も打たれ、揉まれ、たどり着いた枝には、なんとも言えない滑らかさがあり、形や色味、模様が個性豊かで味わい深い。これはなんの木だろう? 一体どこからどのように流れ着いたのだろう? 一本の枝から壮大なドラマを感じるのだ。


 それだけでも充分楽しいが、なにか作れたらきっと素敵だなと、いつのまにかたくさん集めてしまった。ちょっと手を加えてみるといい雰囲気だ。それに、眺めていると潮風と波の音、キラキラと光るあの水平線を思い出す。また拾いに行こう。いっしょにゴミも。
 海に行くときは、ゴミ袋とトングを持参するのが習慣になった。圧倒的に目につくプラスチックのゴミ。どこから来たのだろうと、流木と同じく様々なことを考える。そして、世界をつなぐこの海が、いつまでも美しく豊かであってほしいと強く願う。

自由な発想で作った流木のオブジェ
流木の作品。左上から時計回りに、星のモチーフ、マクラメタペストリー、フォトディスプレイ、キーフック、娘さんが作った織物

自宅から車で15分ほどの宮崎市内の砂浜に流れ着いた流木


(S・S / SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.108(2019年3月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.32」

子どもの「マイクロプラスチック」問題への興味に向き合うヒント


1.子どもにマイクロプラスチック問題をどう伝えるか

娘と近所の図書館へでかけたある日。
好きな絵本を借りて、受付で手続きをしていると、
娘はエコ関連の本を並べた特設コーナーから、
ゴミとリサイクルに関する本を持ってきました。

ペラペラとめくって、結局は借りずに自ら本棚にしまいましたが、
興味を持ち始めているのかな?と感じました。

その後も、コンビニ前や道端にゴミが落ちてると
「ねえ!ゴミ落ちてるよ!!」とみつけては教えてくるのでした。

しかしかばんの中にはゴミ袋や手袋、トングを入れていないので、
「次またゴミ袋持ってるとき拾おうね」
と言いながらモヤモヤ。

別の日も「ねえ!ゴミ落ちてる!!」「お母さん、落ちているのになぜ拾わないの」が数度も続きました。

その度にゴミ袋を持ってない(いや、持ってないことを理由に拾おうとしない)自分にモヤモヤしていました。

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2.ゴミ拾いがきっかけで始まった、娘の興味

これより遡ること1ヶ月前。
もともとのきっかけは、娘とお友達親子とごみ拾いをしながら、散歩したときの事。

「道にゴミが落ちてるとね、それが風や川に流されて海に行って、ゴミが小さく削れて、
お魚が食べちゃってお魚しんじゃうんだよ」そう話かけながら、ゴミ拾いをしました。

その後、保育園の駐車場や道端にゴミが落ちてると
「ねえ!ゴミ落ちてるよ!!」とみつけては教えてくる娘。

ある日、自宅の本棚から『クジラのおなかからプラスチック』の本を取り出し、
なにやらペラペラ眺めていました。
海中に捨てられた網に絡まった亀や、ビニール袋に絡まった海鳥の写真をみて、
「かわいそう」と漏らしていました。

※書籍に実際に掲載されている写真とは異なります

5歳ながら、いろんな点と点が繋がって、どういうことか理解しようとしてるのか、
どこまでか分からないけど、娘の興味に向き合ってみようと思い、
以下の3つのことをやってみることにしました。

①一緒に外でごみ拾いをしてみる
②絵本を一緒に見る
③自宅で「ごみを減らす」「プラスチック使用を減らす」

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3.マイクロプラスチックとはなにか

5歳の娘にマイクロプラスチックといっても分からないかもしれないので、
「風や川に流されたゴミが小さくなって、海に出て・・・」と教えました。

そもそもマイクロプラスチックとはなにか。
「マイクロ」とは1000分の1ミリ、0.001ミリのことを指しますが、「マイクロプラスチック」の場合は、大きさが5ミリ以下のプラスチックのことを指します。

マイクロプラスチックには大きく2種類あり、


1つは製造される時点で既に5ミリ以下の小さいプラスチックです。

例えば、日本では2016年から化粧品メーカーによる自主規制が進んでいますが、スクラブという小さな粒々や歯磨き粉に使われている研磨剤のマイクロビーズのことをいい、元々小さなプラスチックとして製造されたものなので、「一次マイクロプラスチック」と呼ばれています。

2つめは、プラスチック製品が自然環境中で劣化し、粉々になったプラスチックです。

道端に墜ちているプラスチックゴミなどが紫外線で劣化したり、風で飛ばされて海や川に流れ着き、波や紫外線で劣化することでボロボロと崩れます。しかし池中や海中では長期間分解されずに残るため、これが「二次マイクロプラスチック」と呼ばれています。

これが今、プラスチックごみの中でも特に大きな問題になっているといいます。

また5ミリ以下のマイクロプラスチック以外にも、
海を漂うごみの問題「海洋プラスチックごみ問題」は深刻です。

エレン・マッカーサー財団(Ellen MacArthur Foundation )が世界経済フォーラムの支援を受け、2016年と2017年のレポートで発表した報告によると、2050年には海に漂うプラスチックごみの重量が、世界中の海の魚の総量を超えると予測しています。


漂うプラスチックごみを、餌と間違えて誤飲する生物、ビニール袋や漁業網が体に巻き付き、自分では取ることができずにいる生物、彼らはやがて、死に至ります。

さらに、最近では「ナノプラスチック」という問題も明らかになってきています。「ナノ」とは「マイクロ」の1000分の1ミリなので、更に小さなプラスチックを指し、これが体内に取り込まれると臓器に蓄積されるなどの影響があると、問題視されはじめています。

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4.なにができる?

これらをきっかけに、ゴミ袋と軍手をセットにして、鞄に入れて持ち歩くようになりました。


母がずっと「そうだね~、また今度ね~」とか「お店の人が拾うから、拾わなくて大丈夫だよ」という態度を続けることで、娘がそれで良いと思ってしまわないように、一緒に拾い、一緒に成長しようとしたいと思いました。

ただマイクロプラスチックのごみ問題は、今日明日で解決することではありません。
日常の中の小さな行動から考えることが大切だと思うのです。

だからこそ、ごみが海にたどり着かないようできることを娘に伝えたいと思いました。
といっても、頭でっかちにならず、肩の力を抜きながら、楽しく。

「ビニールぶくろをたくさんつかわない。
 ビニールぶくろのかわりに、べつのふくろをつかいます」

「なんどもたいせつにつかおう」

「うみやかわのおさかなさんをまもるために、いえのなかのゴミをへらしていこう」

理解するのに何年経ってもよいので、
一緒に楽しみながら声をかけてみよう、そう思う今日この頃です。

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(SNIクラフト倶楽部 松尾純子)


参考:

『クジラのおなかからプラスチック』 保坂直紀・著 出版社: 旬報社

『海洋プラスチックごみ問題の真実 マイクロプラスチックの実態と未来予測』著者/編集:磯辺篤彦、出版社:化学同人

エレン・マッカーサー財団「Publications The New Plastics Economy」

 環境省HP「第3章 プラスチックを取り巻く状況と資源循環体制の構築に向けて」)

森の中のゴミ拾い

ゴミがいっぱいだった森の道

 こんにちは、SNIクラフト倶楽部の中井です。
 2020年4月、私は電動アシスト自転車を買いました。私が住む山梨県北杜市は、自然がとても豊かで美しく、のんびりとサイクリングしたら楽しいだろうなという思いから、自転車に乗り始めたのです。

 ところがいざ走ってみると、道ばたや草むらの中には、いろんな種類のゴミがいっぱい落ちていて驚きました。7年前から、住んでいる街のゴミ拾いを続けていましたので、これからは自転車に乗りながら、森の道もきれいにしようと決心したのです。


自然の生態系を守る“森の中のゴミ拾い”

 ゴミ拾いをするようになって一ヶ月が過ぎた頃、一頭の野生のシカが道ばたに捨てられた弁当を食べているのを見て、私はショックを受けました。今まで、街の中でゴミ拾いを行っていた時は、そこに住む人たちが喜んでくれたらという思いで続けていました。

 でも、自然の中でゴミ拾いを行うようになって、ゴミを拾うことは私たち人間のためだけではなく、そこに住む動物や植物の生命を守ることにつながるということに気づきました。落ちているゴミの中には、動物や植物にとっても有害なプラスチック製品やガラス瓶、空き缶なども、とても多いのです。動物がゴミの破片でケガをしたり、間違えて食べたゴミによって、消化不良で死んでしまうケースもあるということを知りました。

 また、美しい水を作ってくれるのは、川の源である森です。その森にプラスチックの容器が捨てられていることで、川から海に流れたプラスチックゴミによって川や海が汚されています。さらには、紫外線などによって劣化し、ボロボロになったプラスチックが土壌に入り込むことで、土の栄養が減り、植物の生長や土中に暮らす生物に悪影響を与えているとも言われています。このような「海洋プラスチック」「マイクロプラスチック」などの問題は、多くの学者やメディアなどが取り上げています。(参考:NHK就活応援ニュースゼミ「1からわかる!プラスチックごみ問題」



 森の中で行うゴミ拾いは、あらゆる自然の生態系を守ることができると気づきました。動物や植物、昆虫など全ての生物が平和に暮らすことができ、私自身が自然を傷つけない生き方をするためにも、今私は森の中のゴミ拾いを毎日続けています。


ゴミ拾いは嬉しいことがいっぱい

 ゴミ拾いを続けていると、嬉しい出来事もたくさんあります。私はその日によってゴミ拾いをするコースを変えたりはせずに、ずっと同じコースでゴミ拾いを行っています。毎日同じコースを走っていると、少しずつ季節によって移り変わる風景や、様々な種類の鳥や昆虫、植物に出会うことができ、自然は生きていることを鮮やかに感じることができます。


 たまに出会うおじさんから、「今日もありがとう!」ってお礼を言ってもらえたり、畑作業をしているおばさんに、「おはようございます」って挨拶してもらえたりすると、すごく幸せな気持ちになります。

 また、ゴミを拾って草むらがきれいになると、草や木やそこに住んでいる動物たちも喜んでくれているような気がしてきて、私と自然との一体感を味わうことができました。


自然と一体の喜びを生活に表現

 森の中のゴミ拾いを続けるようになって、自然に“与え返す”生き方()を自分の生活にもっと反映していきたいと思うようになりました。

 最近、具体的に変えたことがあります。拾ったゴミを入れるために、今までレジ袋を使っていたのですが、竹かごに変えました。レジ袋は石油由来であることに加え、毎回ゴミ拾い後にはレジ袋も一緒に破棄するため、もったいないと感じていました。

 しかし竹かごは、自然素材でできていることや、繰り返し使えること、最終的には土に還ることなど、自然にかける負荷が少ないです。


他にも、飲み物のボトルを自転車に付けるドリンクホルダーを竹で作りました。

 このようにして私は、自然に感謝して、自然に“与え返す”生き方を心がけることによって、今まで味わったことのなかった幸せを実感しています。

 これからも、森の中のゴミ拾いを続けながら、自然と一体の喜びを、生活に表現していきたいと思います。

(SNIクラフト倶楽部 中井憲治)

<参照>
*自然に“与え返す”生き方:谷口雅宣・生長の家総裁ブログ「唐松模様」より「自然界に“与え返す”生き方」

「何で出来ている?」から、世界へ目を向ける

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裁縫など、何かと作ることが好き。

上手くできなくても、楽しい。ある時、職場のイベントで作品を販売する機会があった。

出品の基準は「自然素材」「環境に配慮したもの」など。

う〜ん。考え込んでしまった。何を作ればいいの?

しばらく考えて出した私なりの結論は、
「綿や麻を使う。石油が原料のポリエステルは使わない。
安易に100均で素材を買わない」。
不十分だけど、とりあえずそんなところからスタート。

綿や麻100%の生地を探して購入したが、そもそもこういう生地も、手作り品も苦手なのだ。

洗練されてないし、なんだか野暮ったいから。だからナチュラルな生地だけどかっこいいものを作る。
自分がときめくものを。(写真のバッグ)

そういえば、今まで材料のことなんか考えたことなかったな。
「これって、何で、どうやって出来てるの?」と投げかけてみると、原産地である世界の国や地球のいろんなことに目を向けるようになっていった。

(岡田香利・SNIクラフト倶楽部)

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白鳩誌No.77 2016年8月号より